宮本浩次 ソロコンサート
2023,11,28
at 国際フォーラム(有楽町)
アルバムタイトルの「ROMANCE」は、気持ちスルーしたけど
コンサートのテーマが「ロマンスの夜」とは
あの宮本浩次が ソロで あの大きなフォーラムAで、ロマンス!!
そして、チケットは13200円
リキッドルームや渋公、野音でなじんだライブとは違うの?
首を振って、何かそぐわないものを振り落とそうとし
まあ、チケ代もたかいけど、くじ運悪いから当たらないだろうと
クリックしたら見事にゲット
深まる秋の夜 職場を出て、日比谷からライトアップの丸の内仲通り
枯れ葉を踏んで会場に向かうのは、日常をはなれていつもと違う私
途中、出雲そばの静かなお店で、一人グラスビール🍺をひっかけて
内緒の期待が実は胸にある。。。
前日のセトリは早々ネットに出ていたが、あえて見ない
私の席は22列 これは真ん中より少し前だが
渋公なら最後列に近い距離だ
でも前が横通路なので前列に遮られることなく
ステージはまるまる視界に入る
一曲目は「ジョニーへの伝言」
来たな! ナマで聞くと、胸にこたえます
彼の声は、アップテンポのロックであっても
抒情を風に乗せたようなせつなさがある
ましてバラッドでは
昨年の「ロマンス~」はWOWOWで見たけれど
会場で聞くのは全然違うとわかった
(エレカシLIVEなら、テレビでの復習も悪くないけど
ここにはステージの大きさとライトの抑えめなきらめき、
秋の風と哀愁と、つまりロマンがあるよ
ギターでなくハンドマイクの浩次は、きょうは王子様だね
綿シャツでなくシルク風にドレープのある黒いシャツ
手がふさがっているので髪もかきあげられないしwwww)
TV番組への露出でもかなり歌われているカバー曲の中で
ほかにユーミンの「翳りゆく部屋」中島みゆき「化粧」など
心の奥をさらけ出すような作品のチョイスは納得しているが
「まちぶせ」「白いパラソル」(どちらもユーミンですね)など
明るくかわいい曲はどうなのかね?と思っている
でも、浩次本人が歌いたいんだよね、それならいいのかな
2時間を超えるライブで、エレカシまたはソロオリジナルの曲は
「やさしさ」「悲しみの果てに」「冬の花」
「あなたのやさしさを俺は何にたとえよう」の4曲のみ
これは座って聞くわけにはいきません! はいSTAND UP
久しぶりだな、このノリは
ところで、私が初めて彼のカバー歌唱を聞いたのは
23年前、TV「ラブラブ愛してる」での「サムライ」
「片手にピストル、心に花束、唇に火の酒、背中に人生を~」
沢田研二がなめらかに色よく歌い上げるジュリーワールドだ
その後、ステージでも聴いたが
発売当時のジュリーよりすでに年上であるはずの浩次(33歳)は
素直に純粋にジェニーへの愛を表現したものだった
「寝顔にキスでもしてあげたいけど、そしたら一日旅立ちが延びるだろう」
心優しきジゴロたるジュリーが悲しいほほえみを浮かべながら歌う
その歌詞が、浩次の声からは痛々しいほどけなげな男心として伝わる
言うまでもないが、私は四半世紀、エレカシのファンである
楽曲も、歌唱も、生き様も好きだ
ロック・アーティストは、その生き様が勝負だ
同じころリリースされた「ガストロンジャー」(2000年)で
『この男は覚醒した』とロック雑誌に書かれたのを思い出す
「歌は歌でしかないが、歌によって社会に切り込んでいくだろう」
というような意味合いと受け止めたが、その後に続く楽曲は果敢である
そんなにがんばらないでいいんだよ、と肩を抱きたくなるような
生き辛そうな曲が続いてきたなか、確かに彼は覚醒したと思う
その延長がソロであろうか
私はエレカシファンである、ロックキッズである、と自称しながら、
実はバラッドを歌うときの彼に、密かに「アイドル性」を感じている
(~のではないかと、自分に対して前々から危惧している・・)
その浩次が女性曲のカバーを歌うとき、やばいことになりそうだと
それが、道々内緒で抱いた「期待」なのだが
・・・気づいてはいけないことだったかもしれない
「異邦人」などの独特な曲調をテクニカルに歌いあげるときは
児童合唱団時代の、みんなのうた「はじめてのぼくデス」が
頭に浮かんだりする(たしかにあれもソロでした)
歌い手(singer)浩次と、ロックアーティスト浩次は
別に考えるべきなのかな?
そんな他愛のない葛藤が以前から頭の隅に蔓延ってはいたが
単に彼の歌の持つ特性であるリリシズムが
私の心の、隠れた一部分を刺激するのかと思ったりもする
いや、えらそうなことを言いながら、私にとって彼は
純粋で愛らしい、・・つまりアイドルだったのか?なんて、
自虐的な真実に行き着いた昨夜の二時間だった
二部からはいつものアニエスベーの綿シャツと黒のスーツ
まったく変わらない体形の57歳
髪が薄くなることもなく、少年のままでいられるのも運の内
あの男はやはり神にされる者なのだろう
自らにも誰にも嘘を言わず、楽な方に逃げることもせず
苦しんで人生に向かってきた、ロッカー宮本浩次
アイドル呼ばわりは彼への冒涜だよ
「なんてやさしいやつらだ、なんてすてきなやつらなんだ!」
そして
「ありがとう、みんな!
ありがとう、フォーラム
だいすきだよ、みんなかわいいよ~!」
珍しいシャウトに
どぎまぎした
今回、客席は女性ばかりだという前提でなのかな
(私の隣には男性もいた)
ロマンスの夜 アンコールはまさしく「サムライ」でした
「男はいつでも不幸なサムライ~」
晩秋のせつなさは私の中で最高潮に達して
なんかもう、頭の中がロマンス渦巻く夜になってしまいました。。。
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