「くだらねえとつぶやいて・・・」

冷めたツラして歩きながら”浩次”が見たのはどんな月だろう

「今宵の月のように」を聞くときはいつも満月を頭に描いていた

 

秋も深い仲秋の後、立ち待ち、居待ち、寝待ちと数えて昨夜は臥待月

「臥待月(ふしまちづき)」というハンドルネームの友がいて

「ふしちゃん」と呼んでいた

 

細くて茶色のふわふわ髪で、化粧っ気もないのに西洋人形のように

はかなげできれいな「ふしちゃん」はとても遠い所にいて

一度しかあったことはないけど、ネットではすぐ会える

そう思っても、生活が、介護が、と言って女同士は疎遠になっていて

 

久しぶりに連絡できたのは彼女のお母さんが亡くなって

年賀欠礼のはがきを受け取ったから

 

医療の仕事をする彼女はお母さんを急に亡くされてどう思っただろう

へたな言葉はかけられなかった

 

昨夜の月は 私が用でいつもより遅く帰宅すると 東のビルの上に

ハンモックがのんびり乗っかるように 顔を出したところで

 

少し待ち、座って待ち、寝て待ち、しまいには臥所で寝たあとにと

名月の翌日から、毎日遅くなっていく月の出

 

控えめな「ふしちゃん」はそれが心に合ったのだろう

 

今週は、私自身、近しい人をふたり予想なしに亡くし

彼女のあのときの気持ちを思い出した

なんと言っていたか覚えていない

でも、ふしちゃんは逝く人に寄り添える心を持ったひとだと

そう思ったことだけ覚えている

 

(ふしちゃんはこのブログを知らない

親しい人にはほとんど言ってない、本音の場所だから

ごめんね こんなところに書いて 手紙、書くね)

 

 

 

誰の椅子だろう。。。