わたし明治〜昭和初期(戦前)の遊女に興味があるんです
江戸時代の遊女じゃなくてね
江戸時代はあまりにも遥か昔な気がしてあんまりリアルさを感じられないから…
以前も記事にしましたが元遊女の森光子さんの、吉原花魁日記と春駒日記。
素晴らしい本なのですがいかんせん検閲で消された黒塗りの箇所が多い…
そこに書いてあることがどうしても気になる、、、
学者が書いた本ではなく、こんな感じの当時の遊女の生の声をおさめた本は他にないだろうか?とネットで調べまくった結果見つけたのがこちら。
ほぼ絶版に近く本屋では見つけられなかったものの図書館で発見。
遊女はろくな教育も受けず売られた人が多く文字が書けなかったり学がなかったりして、森光子さんのように自ら手記を残した人はほぼいなかった。だから色んな遊女の生の証言が残っているのはとんでもなく貴重なのです。
もうね、これこそまさに、まさに、私が求めていたもの。
きっと黒塗りされていたのは、ここに書かれているような内容なのだと思われる。
それくらい何もかもあからさまで赤裸々。
著者の竹内智恵子さんが昔遊女の方から聞いたお話を、方言などの口調や語り口もすべてそのままに載せています。
(あとがきに、「私は不思議と話を一言一句覚えられるという才能があったためテープレコーダーなどは一切使いませんでした。お相手の方も話しにくいでしょうし」って書いてて、本当にそんなこと可能なんだろうか…?って思ったけど内容読むと書き起こしたかのように書かれてるから本当なんだろうなぁ)
主に仙台の遊女の証言で、教科書にも昭和恐慌の頃「凶作で娘の身売りが多発した…」ってあったと思いますけど時代的にその辺です。
以外、私が衝撃を受けた話を載せます
(コピーライト的や内容的にギリギリかも)
⚠️注意⚠
かなり生々しい話や堕胎の話が出てきますので注意…
まず用語
・子袋:子宮
・鬼:胎児
・鬼追い:堕胎
・フグの横っ飛び:遊女が妊娠してしまうこと
・莫蓮:ヤ…のこと
・お茶を引く:お客がないこと
・お秘所:アレのこと
・御縁起:アレのこと
①子宮外妊娠の話。
ほっとくと激痛になって生命の危機すらあるとは知ってたけどこうなるのか。
当時はもちろんエコーなんかなかったから、危険な状態になるまで気づかれなかった。
当然麻酔なんかなかっただろうしどれだけ痛かったか…
②わたし樋口一葉の『たけくらべ』とその世界観が好きとも前書いたんですが、忍棒の話を読んだ時、「これがたけくらべ問題の真相だったんじゃないか??」って腑に落ちたんです。
明るく元気な少女だった美登利が急に人が変わったようにふさぎ込む理由は初見世説とか初潮説とか常連客説とかいろいろ唱えられてるけど、この忍棒が原因って考えたら何もかもピッタリ符号するのでは??
まだ店に出ず自宅にいる理由も、遊女の本当の仕事内容を身をもって知ったことで暗くなる理由もすべて説明できる。
「忍棒」でgoogle検索しても全くヒットしないから、研究者にも知られてなくて説にも上がらなかったのかな。遊郭関係者にしか知られてないことだったのかな(当時の人には結構知られてたことだったのか?)。
③この遊女さん、欧米人に間違えられるほどだからよほどの美人だったと思われる。今で言うハーフ顔。
なのにアメリカ兵には人気なくて目の細い平安時代系の顔の方が人気ってあるのは、現代と変わらなくて興味深い。
④これは読んでて胸が痛くなる…これこそ遊女の真の実態よね…
⑤これって近xxxやん…父親最低すぎて気分悪くなる。
⑥これは最も鬱な話…
折檻で打ち所が悪く障害を負った遊女と、その娘。
人間ですらない扱い受けてる…末無嘉門町は最下層の遊女がいた所みたいで、浮浪者さえも相手にしてたよう。
幼い娘が親のやってること見て…ってのがあまりにも哀れすぎる
なんか…この時代の人の命って、今と比べ物にならないくらい軽いものだったんだな…って思わされる。遊郭限定だったのかもしれないけど…
これ文庫化してほしいけど用語が時代的にアウトすぎて無理だろうなぁ
別の翻訳ブログもやってるので見て下さいね