いつのまにか彼の劇場の中にいたことに気づいたけれど、未だに現実感のないまま足は動いていく。
ホテルのロビーに飾られたハロウィンの装飾に目を奪われていると、彼はすっとお金を払って鍵を受け取った。
「2階…階段か笑」
「段差がすごい!古いね笑」
裾を踏みつけてずり下がったスカートを引き上げながら部屋に入ると、彼はなぜかすぐにテレビを付けた。
建物は古いけど水回りはリフォームしたようでかなり綺麗
努力しているかしていないかって瞬時にわかるもの。
こういうホテルは嫌いじゃない
先にシャワーをして布団にもぐっていると、彼もシャワーを終えて出てきた。
「なんかおかしいと思ったら、マスクしたままシャワーしてたわ笑」
そんなに緊張してるの?いや、酔っ払ってるのか
ベッドに入ってきた彼にぎゅっと抱きつくと、やはり身体がかなりガッチリしている
「さっきさ、ハズレた時は時間のムダって言ってたけど、大丈夫だったの?」
「え?だからこうしているんでしょ笑」
「そっか笑」
「駅で見かけた時に、あの人だったらいいなーって思ってたよ」
あんまり内容はよく覚えてないけどさ、テクニックはめちゃある人だったけど
一回もいけなかった
ヨニケアしてなかったせいもあるのかな…
おっぱいも中も外もほとんど感じなかった
サイズは普通なんだけど、袋がめっちゃ柔らかかったの。
なんだろう…触ったとき、脳みそが違うって言った気がした何の話やねん
やっぱりさ
体の相性ってあるんだなと
まぁfinishできたからよかったけど、
キミ…
顔色が良くないよ
寝不足でお酒あんなに飲んで激しい運動したら、やっぱそうなるよアンタつーかよく勃ったな
吐きそうって言うから、トイレでしていいよって言うのに、頑なに家に帰ってするという彼。
急いで身支度をして外に出る。
「あっち方向でしょ?ここでいいよ!」
「ごめん、タクってすぐ帰る」
「うん、気をつけて!」
辛そうに歩いていく背中を見送り、駐輪場に向かう…
なんだこれ
いつのまにか劇場から抜け出していた私は、母親の顔に戻って自転車を漕いでいた。
おしまい♡