ずっと気になっていたのでAmazonの有料配信で観ました。

新作を比較的早くに自宅で観ることのできるこのサービス、

今の環境下においてはとっても便利ですね。ニコニコ

 


 

 

 

 

殺人を犯した三上正夫 (役所広司) が、13年の刑期を終えて

出所するところから始まります。

普段の彼は、正義感が強くて人懐っこくどこか憎めないのですが、

短気でいったんキレてしまうと後先考えずに暴力をふるって

手が付けられなくなってしまうのです。

 

 

再出発しようと焦りもがきながら七転八倒する現実、

不寛容な社会の光と影。

彼は行方不明の母親を見つけ出し、社会復帰できるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

三上の周囲の人たちは、ときに厳しいことを言うけれど

彼のことを気遣い、できるかぎりの手助けをしようとあたたかい。

’渡る世間に鬼はなし’

しだいに彼はその気持ちを噛みしめるように。

 

 

特筆すべきは役所さんの演技の上手さ。

穏やかさと凶暴さ、くるくる変わる二面性を表現するのが

いかに大変であったか。
 

 

 

 朝、卵かけごはんを食べ

 洗濯をしてスーパーに買い物に行く。

 何てことはない生活を人に邪魔されず

 穏やかに営むことができる。

 

 本当の幸せとは ”平凡な日常” の中に

 あるのかもしれません。

 

 

 

実在の人物をモデルに綴った佐木隆三氏の小説 「身分帳」 を原案に

西川美和監督がオリジナル脚本を手掛けた作品だけあって

三上だけではなく、多くの人々にとっても生きづらい現代社会を

浮き彫りにしています。

 

 

当たり前のように見て見ぬふりをしたり忖度したりする社会が、

はたして ”すばらしき世界” なのかと、三上を通じての痛烈な

メッセージなのでしょう。

 

 

観終わって思うのは、、

空の広さや人の温情を少しでも感じることができたのかしら。

そのことだけ彼に聞いてみたくなりました ...。