珍しく ひとりご飯の日。
かんたんに済まそうと、いつも思うのですが
こういう時、決まって思い出すのは
私の書道の師、S先生のお顔です。
若くしてご主人を亡くされ、お子さまたちも独立され、
私が通っていた当時は、お教室を兼ねたご自宅で
ひとり暮らしをされていました。
書展に出す作品の猛練習で 夕食時を過ぎてしまったりすると
「ねえ、おなかが空いたわね、よかったら食べていかない?」 と
さりげな~く誘ってくださって。
ささっと鰹節を削ったおだしで作ったお味噌汁や
昆布の旨みがしみ込んだ煮物の美味しかったこと!
「お料理と編み物は好きだから苦にならないの。」 と
おだやかに微笑んでいたお顔を、今でも思い出します。
ひとり分だけなのに、来る日も来る日も
”おだしをとって、きちんとごはんを作る” ことって
できそうだけれど、実はなかなかできることではない。
日々、丁寧に暮らすことが いかに大切であるかを
痛感したのは、もう少しあとのことでしたけれど。
炊きあがって、蒸らして、、土鍋のふたをあけると
ふわ~っと 香ばしい湯気が立ち昇る . . .。
この瞬間が好きだから
やっぱり今晩も 作っています。