記憶が薄れることはあっても、決して忘れることのない、、
’84年、’85年にわたって起きた、食品会社を標的とした
一連の企業脅迫事件がモチーフとなっています。
あの 「三億円事件」 と並ぶ、
世間を震撼させた 「昭和の未解決大事件」 でしたね。
「35年前の事件を、今さらなぜ、掘り返すのか…。」
立場的に相反する、阿久津 (小栗旬) と曽根 (星野源) 。
「記者」 の仕事とはいえ、
ひとの心に踏み込まなければならない
やりきれなさ、割り切れない気持ちを語る阿久津。
夕暮れの瀬戸大橋をバックにしているこのシーンは
原作にはない映画オリジナルのものですが、
ふたりの心の距離を近づけるには必然なものであり
心に残りました。
昭和の時代を彩った役者さんたちの
いぶし銀のような演技がより一層、深みを増しています。
学生運動、この時代だからこそできたであろう株価操作といった
社会的背景を織り交ぜてあり、細部にわたって丁寧さが感じられました。
脚本は、ドラマ 「逃げるは恥だが役に立つ」 「アンナチュラル」 の野木亜紀子氏で
第44回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞作品。
いかなる場合でも
自分の 「正義」 を振りかざして
子どもたちの夢をつぶしたりすることは
あってはならないこと。
2時間20分 興味深い内容に引き込まれて
いっきに観てしまいましたよ。