京都 祇園からほど近いあたりの、
どことなくミステリアスな愛子先生が教える
初心者の男性限定の料理教室を舞台に、
料理の腕をあげよう! と
奮闘する4人の生徒たちが描かれています。


               ナイフ&フォーク  


物腰の柔らかい愛子先生の手ほどきを受けるのは、
業種も世代もバラバラな建築家の卵、フランス人パティシエ、
性別不詳の大学生、無口な初老の彫金職人たち。


割烹着の似合う愛子先生は、決してでしゃばらず
生徒たちを静かに見守り、時には、的確なアドバイスを
与えてくれるといった、男性に限らず、
誰でも通いたくなってくる教室なのです。


               ル・クルーゼ


料理を作ることは、自分や、食べてくれる大切なひとたちの
からだや心をいたわること。


丁寧に作られた京料理について読んでいますと、
すぐに、その通りに作り、食べたくなってきます。


「大根と鶏の炊いたん 生麩入り」 といった京のおばんざい等
巻末付録のレシピも、おすすめ!
きちんとした食事の大切さ、料理をすることの楽しさを再発見できる
美味しい小説ですよ。  akn