ああ なんて凄いのだろう!
俳優たちの、我を忘れ 役になりきっているであろう
歌唱力と演技力。
歌いながらセリフを言うことによって生まれる
あの高揚感。



子どもの頃、 『ああ無情』 (この本の題名) を読んだ私は、
ズッキュ~ンと衝撃を受けました。
そのときと同じくらい圧倒されたかなぁ

(あまりの感動で、すでに2回観にまいりましたわ~ 笑)


パンを一切れ盗んで、19年の服役、仮釈放の規則に反したことにより
冷徹な ”法の番人” ジャベール警部に追われるジャン・バルジャン。
ジャン・バルジャンに、ヒュー・ジャックマン。
ジャベールに、ラッセル・クロウ。
バルジャンが救う、薄幸の女性 ファンテーヌは、アン・ハサウェイ、
その娘 コゼットは、アマンダ・サフリッド。



セリフは、ほぼ歌で バルジャンやファンテーヌが
自らの思いを、 生々しいこころの叫びを
ここぞとばかりに 全身全霊で歌い上げるところは圧巻。
まるで 目の前で 舞台を観ているような錯覚を覚えるほど。
あまりの感動に 思わず涙が出てきます。


一方で、 トム・フーパー監督 は、19世紀のリアリズムも忘れていません。
後半は、革命を起こす学生たちが、蜂起する。
その中のひとり、マリウスと恋仲になるコゼット。
その身を隠し、ひっそりと生きているバルジャンも
革命に巻き込まれていく・・・。
テーマは、”貧富の差” と ”自己犠牲” 。
あ、”無償の愛” もあるかな。。
すべての人たちが、一生懸命に 生きている時代。
初演のバルジャン役で、舞台を大成功に導いた コルム・ウィルキンソン が
不運を呪い、荒んだバルジャンの心を救った司教役で登場したのは、
観客への心憎いプレゼント

「I Dreamed a Dream (夢やぶれて)」 が
私の心のなかで リフレインしています。

無情の世界に 一縷の光が差すラストシーンには心を打たれます

