任侠映画時代の高倉健さんを私は知らない。
私の知る ”健さん” は、
「幸せの黄色いハンカチ」などで
いつだって、やむにやまれぬ事情を抱えている
寡黙な主人公を演じていた。
御年81歳の彼は、
その風貌たるや 普通の81歳ではない。
背筋もピンとして、年下の者にでさえ
きちんと礼を尽くす、丁寧な言葉遣い 等
見習うべきところ満載なのである。
刑務官として勤めた定年後に
富山の刑務所で、嘱託の木工指導技術官となった
主人公(健さん) が、
亡き妻 (田中裕子) の遺言に従って、
彼女の故郷 長崎県平戸まで、
手作りのキャンピングカーで
旅をするというストーリー。
旅をしながら、亡き妻を回想するのですが、
こんなふうに 夫から愛されたら
妻冥利に尽きますね~
妻を見る時の あたたかい眼差し
妻に語りかける時の 優しい口調
(C)「あなたへ」製作委員会
* 亡き妻を演じる田中裕子さん、
* ビートたけしさんは、種田山頭火の好きな元国語教師 @飛騨高山
* 物産展を巡り歩く イカめし販売人のつよぽん @京都
* 同じくイカめし販売人のどこかしら影のある佐藤浩市さん @大阪
* 平戸の食堂の娘に綾瀬はるかさん、その母は、余貴美子さん @長崎
* 老漁師の大滝秀治さん (やはり 引き締まりますね~)
事情は、それぞれ違えど
皆、心の底に生きる哀しみを背負っている人間たち。
旅に向かわせた妻の真意が
目的地において はじめて分かる。
ある意味 究極のラブストーリーかもしれない。
不器用だった主人公が
新しい生を生きようと 歩き続けるラストが印象的で
今までとは違う健さんに出会えた気がする。