大人になると
なかなか素直になれない。
ことさら恋愛に関しては…。
この恋愛アンソロジーは
『料理通信』 に 連載された短編集。
一篇一篇の中に お料理と恋愛が
上手くからみあっていて
味わい深いものとなっています。
石田衣良氏の 『フィンガーボール』 は
直接的な表現がないのに
どこかエロティック。
年下の男性と逢いながらも 夫を想う。。
そんな複雑な女心が よく描かれています。
山田あかね氏の 『やさしい背中』 も
好きな作品。
実らないほうが 甘美な恋もある
結ばれなくても 自分で納得できれば
それは それで ”幸せな恋” なのである。
よくも悪くも
こういう気持ちを 理解してしまえるのが
大人なのでしょう。
ただ、
理解できず、突っ走ってしまえる頃のほうが
幸せなのかもしれませんが…。
大島真寿美氏 『小さな誇り』
角田光代氏 『わか葉の恋』 は、
大人の女性の気持ちを丁寧に表現されていて
共感を覚える作品。
”恋におちる瞬間” や
”キュ~ンとする気持ち” って
いくつになっても いいですものね。
相手を想いながら 切なくなったり…。
恋愛って 明解な ”セオリー” がないから、
奥が深いのかもしれない。
だからこそ
自分の気持ちにだけは
素直でありたい