普段、彩りのある 有声映画に慣れてしまっているからでしょうか、
”色のない世界” ”セリフが聴こえない” ことに
初めのうちは、なじめない感が…。
でも、すぐに目も頭も (想像するので) 慣れ、、、
映画が 好きで好きでたまらない
フランス人の映画監督が、
サイレント時代のハリウッド映画を、
実際にハリウッドに行って撮ってしまった
この白黒サイレント映画に
魅せられてしまったのです。
舞台は、1920年代のハリウッド。
サイレント映画界の大スター、ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、
新人女優のペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)を見初め、
彼女を人気女優に導いていく。
心のなかで 強く惹かれあうふたり。。
折しも、サイレントからトーキーへの移行期である。
サイレントに固執するジョージは、次第に没落していき、
ペピーは、スターへの階段を駆け上がっていく…。
大好きなジョージを想い、
カレの上着に手を通して
自分で自分を抱きしめるシーン、
甘く切ない女心が現れていて
印象的でした。 (写真右)
かつての名声に囚われながらも
男性としての品格と誠実さを忘れないジョージ。 (写真左)
ジョージの愛犬、アギーの忠犬ぶりは、
観ている者すべてを なごませてくれる。
アギーの全力疾走は、感動ものです!
原題: THE ARTIST (2011年 仏)
ジョージとペピーは、
大スターと女優の卵という立場の違いもあり
すぐには恋愛関係に発展しない。
やがて、立場が逆転しても
ペピーの愛は変わらない…。
ああ、
なんて 素敵で大人のロマンティックなのでしょう!
(C)LaPetiteReine-Studio37-LaClasseAmericaine-JDProd-France3Cinema-JourorProductions-uFilm
この作品には、
繊細な技巧が凝らされていますので、
観てのお楽しみに、、ということで。
ヒントは、
過去の映画 へのオマージュ 。
ラストで、
なぜ ”アーティスト” なのかが わかります。
目で 愛を語り、
背中で 魅せる哀愁は
甘美で この上なく美しい。
何度でも観たい
大人のための ラブストーリーでした。