「自分がメイドになることはわかっていた。」 



白人家庭で働く、黒人メイドのエイビリーン (ヴィオラ・デイヴィス) が

こう話すことから、物語は始まる。

( この冒頭シーンから 引き込まれましたね~ )



「母親もメイド、祖母も家事をする奴隷だったから。 」 





      ■Jewel Box■ ■Jewel Box■




1960年代前半の米国では、

人種差別撤廃を求める公民権運動が行われる一方で

地域によっては、”前時代的な差別”が 公然と続いていたのである。



自由の国、米国の”汚点”を背景にしたこの作品は、

理不尽な現実に風穴を開けようとした、

勇気ある女性たちを描いている。





      ■Jewel Box■ ■Jewel Box■
      原題: THE HELP (2011年  米)



舞台は、ミシシッピ州 ジャクソン。



『風とともに去りぬ』 の時代の南北戦争後に、

奴隷解放が宣言されたものの、

特に、南部では、「分離すれども平等」 の原則のもと

( 原則論は、すぐに崩せますものね )

白人優位、黒人差別が、平気で行われていたのである。



作家志望の白人女性、スキーター (エマ・ストーン) は、

旧態依然の故郷の状況に胸を痛め、

不条理に耐えてきた黒人メイドたちの本音を聞きだし

本にしようとする。



正直に発言しただけで、

自分だけではなく、親戚家族にまで身に危険が及ぶような

社会状況のなか、最初、エイビリーンは躊躇するが

友人のミニー (オクタヴィア・スペンサー) が、

解雇されたことを機に重い口を開き、次第に仲間も後に続くことに。。





      ■Jewel Box■      
      (C)2011DreamWorksIIDistributionCo.,LLC.AllRightsReserved.
 



スキーターの友人、ヒリーは、特に差別が酷く、意地も悪い。

主婦たちを煽り、出自の違うものを徹底的に拒むのだが、

これは、他者を貶めて、自分が優位に立とうと思い込むだけ。



それよりも、どんなに虐げられても

メイドとしての矜持がある、

エイビリーンとミニーたちの誇り高き態度のほうが

よっぽど魅力的に思えるのである。



深刻ぶらずに、淡々と描かれており、

時折、抱腹絶倒するシーンもあり、、で

むしろ、現代の殺伐さのほうが深刻に思えてくる。



”本物の自尊心” とは、 を

しなやかに 堂々と見せつけられる秀作。



ミニー役の オクタヴィア・スペンサー は、

本作で、アカデミー賞助演女優賞を獲得しています。

エンドロールで流れる、メアリー・J.ブライジの歌も最高!



最近観た映画の中では、

私の中では、ダントツ一番の作品となりました。 ニコニコ



(力が入りすぎて 長文になってしまいましたわ~ 笑 )