シネマ歌舞伎 なるものを上映するようになり
行き損ねてしまった作品を、リーズナブルに観ることができるのは、
嬉しいかぎりですね。
冒頭で 玉三郎さんが 泉鏡花作品について語ってくださるのも
解りやすく、より感情移入しやすいです。
本作は、平成21年7月に 歌舞伎座さよなら公演として上演された舞台。
白鷺城の最上階に住む異界の者たちと人間との恋物語で
天守夫人富姫を坂東玉三郎さん、図書之助を市川海老蔵さん、
ほか、中村勘太郎さん、中村獅童さん、片岡我當さんという豪華キャストです。
特筆すべきは
玉三郎さんの艶めかしい後姿。
真っ白な襟足、凛としたその立ち姿は、
女性の私でも ぞくぞくっとしてしまうほど…。
指先の所作までも ”おんな” を感じられました。
(ここで、郷ひろみさんの 『ハリウッド・スキャンダル』 の歌詞が。。
「♪ 君 爪の先まで 女だったよ~♪」 )
↑ 髪の先まで でした~
鏡花作品は、とかく ドロドロした部分だけ
クローズアップされがちですが、
(たしかに そういう部分も否めませんが…)
本作のラストでは、一筋の光に導かれるような。。
そんな描かれ方をされています。
玉三郎さんとほっそりとしていた海老蔵さんが
この世のものとは思えないほど、美しかったです。。
文学作品を堪能した、午前のひとときでした。。