たとえ 世人の指弾に遭いながらも
「パンや空気よりも 女性が好きだ!」 と豪語し、
誘惑した女性からは、「口は嘘つき、目は偽り」 と非難され … 、
これは、主人公でもあり、2000人以上もの女性と関係を持った
ドン・ジョヴァンニ (ドン・ファンのイタリア読み) のことです。
18世紀、好色なスペイン貴族のドン・ジョヴァンニ (マリウシュ・クヴィエチェン) は
名うてのプレイボーイとして有名だった。
一夜、ドンナ・アンナ (マリーナ・レベッカ) 邸の寝室に侵入したが、
彼女が大騒ぎしたため、駆け付けた父親である騎士長の命を奪ってしまう。
追われる身になった彼に襲いかかる恐ろしい運命とは … 。
(C) Marty Sohl/Metropolitan Opera
悪質で虚無感を持つ女たらしなのか、
はたまた、理想の女性を求めて彷徨う男なのか。。
野性的 且つ 優しさの両面を持ち合わせ、
女性のことを2分で見抜く、ドン・ジョヴァンニの人格は永遠の謎です。
だからでしょうか、不思議な魅力が備わっている彼は、
文学、音楽において、絶好の題材となってきたのです。
モーツァルトが、「ダ・ポンテ」の台本により、この「悪の魅力」に富む
ドン・ジョヴァンニを主人公にしたオペラを書いたのは、
名作≪フィガロの結婚≫の2年後のこと。
31歳のモーツァルトの筆致は、円熟さに加えて繊細な心理描写に富み、
そのストーリーは鮮烈。
美しく崇高なアリア~叙唱は、圧巻で鳥肌ものですよ。
本音のレビュー
愛、偽り、憎悪、嫉妬、罪。。
美しいアリアに聴き惚れつつ、
男女の複雑な心理描写を読み解く醍醐味。。
愛憎渦巻く人生を駆け抜けた、破天荒な男の物語。
映画ですので舞台裏を見せてくれるのが、嬉しいです