2009年の『 歌舞伎座さよなら公演 』、
片岡仁左衛門さんによる「女殺油地獄」が、シネマ歌舞伎で公開!
本作は、1709年に近松門左衛門が書き下ろした世話浄瑠璃で、
歌舞伎としては1909年に二代目實川延若が初演した演目です。
舞台を見損なってしまいましたので、
シネマ歌舞伎で観てまいりました~。
複雑な家庭環境により荒んだ生活を送っている、油屋河内屋の放蕩息子
与兵衛(仁左衛門)は、馴染の芸妓 小菊に入れあげ、
継父である徳兵衛に金策を断られるや逆上して家族に暴力を振るう。
見かねた母のおさわが勘当を迫ると、自棄を起こして家を飛び出してしまう
のだが、借金の返済を迫られて途方に暮れる。
一方、徳兵衛とおさわは同業の豊嶋屋七左衛門の女房 お吉を訪ね、
与兵衛に家に帰るよう諭してくれと涙ながらに頼み、
金銭を預けて帰ったのだが ・・・ 。
与兵衛を勘当するも心配でならない継父・徳兵衛と実母・おさわの情愛が、
近松の筆によって巧みに描写されています。
ここの場面は、泣けてきます。。
また題名に "油地獄" とある通り、借金に追いつめられた与兵衛が
衝動的にお吉を殺害する場面での、油まみれになりながらの立廻りは、
大きな見せ場となっています。
お吉が刺され、大きくのけぞりながら倒れるシーンは
一瞬止まり (普通、できない~) 見入ってしまうほど。
本音のレビュー
勘当された与兵衛が見せる哀しい目と
借金を断られて、お吉を殺害する狂気。
当たり役である仁左衛門さんの迫力ある演技は圧巻!