この作品は、米・ユタ州の峡谷でショッキングな事故に遭った青年が、
奇跡の生還を果たすまでの127時間が描かれています。
現在でも登山家として活躍しているアーロン・ラルストンの実体験に
基づいているのですが、単なる脱出劇ではなく、
「人は何によって生かされているのか 」 ということを考えさせられます。
週末のアーロン(ジェームズ・フランコ)は、勤務を終えるとすぐに
誰にも行き先を告げず、幼い頃から慣れ親しんでいたアウトドアの
世界へ。
この日の目的地は、勝手知ったるブルージョン・キャニオン。
無人の渓谷へ、ひとり楽しく突き進んでいくアーロンは、
まさしく水を得た魚のよう。
途中で出会った女子ふたりのガイド役をかって出たりして、
心から楽しんでいたのである。
このあと、深く狭い谷底で落石に右腕を挟まれ身動きがとれなくなって
しまうという予期せぬ出来事が起きる・・・。
映像といえども、この閉塞感をアーロンと一緒に味わうのはかなり厳しいです。
でも、このアーロンのすごいところは、「落ち着け」と冷静に対処しようとするところ。
知識と経験を生かしてあらゆることを試みるのですが、万策尽きてしまいます。。
絶望の中、持参したビデオカメラに語りかけるうちに、去来する記憶。
極度の疲労ともうろうとした頭に浮かぶのは、妄想と今までしてきたことへの後悔。
それまで顧みることのなかった他者へのあふれ出る思いや
朝、太陽の光がさすことの喜び。
土壇場において、人間を突き動かすものは、
何気ないものをありがたく感じる思いなのかもしれない・・・。
本音のレビュー
この作品のメッセージは、人はひとりでは生きられない、ということ。
どんなときでも、 ”行き先” だけは、誰かに言っておかなくては!