大人になるといろいろな諸事情を抱えながら生きています。

多かれ少なかれ、ほとんどの人がそうですよね。



この本の帯に書いてある文章は、

常日頃思っていること、まさにそのまま的を得ているのです。




    
      ■Jewel Box■



人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている



「いろいろ事情があるんだろうよ……」

大人はそういう言い方をする。

なぜか?

人間一人が、この世を生き抜いていこうとすると、

他人には話せぬ (とても人には言えないという表現でもいいが)

事情をかかえるものだ。

他人のかかえる事情は、当人以外の人には

想像がつかぬものがあると私は考えている。


 (「妻と死別した日のこと」より)

   やじるし 注 故 夏目雅子さんのこと。。 




いつもながら 歯切れのいい文章を目で追っていくと

ああ、そうよね~ と共感を覚えることが多く、一気に

読めてしまいます。ニコニコ



「春 夏 秋 冬」 と4つのカテゴリになっているところも

なかなかシャレています。

夏 の中に

「無所属の時間を大切に」 というタイトルがあります。



それは、(自分が)どこにも属さない時間を過ごすということ。

簡単そうでなかなか難しいことですよね。

この ”無所属の時間” は、作家の城山三郎氏がそう呼んで

大切にしていたそう。



また、作家の吉行淳之介氏は、”煙草屋までの旅” と語ったのだとか。。

煙草を買いに出かける行動が、 すでに ”旅” というところが

粋ですよね。 はぁと





■Jewel Box■




一見 ムダと思われるようなことを大切にする ”粋” な心意気や

”ダンディズム” にこだわるのが大人なのではないのかなぁ と思う

一冊。



本