1944年、サイパン島。
日本軍は米軍への総攻撃で玉砕した。
大場栄大尉は、47名の兵士(← 奇しくも赤穂浪士と同人数)と
民間人を率いて、約570日山に潜んで抗戦を続けたのである。
日本軍を侮っていた米軍は、やがて彼を
畏敬の念をこめて、「フォックス(賢いという意で)」と呼ぶようになる。
圧倒的な軍事力でサイパン島に上陸した米軍を相手に
日本国、及び日本人を守ることだけを考えて、
たった47人で戦いに挑んだ陸軍大尉、大場栄(竹野内豊)。
いかなるときでも、冷静沈着、崇高な大場大尉に頭が下がりました。
軍人として、一寸の迷いもなく生き抜いた男の役を、
竹野内さんが見事に演じていたと思います。
実在人物であるというから凄すぎます。
私的な報復をしかけるヤクザの一等兵を演じるのは、
唐沢寿明さん。
坊主頭にしてきたときには、竹野内さんもビックリしたそう。
日本に滞在していたことがあり、日本人の心がわかる
ハーマン・ルイス大尉と対峙する場面には緊張感が走ります。
どちらも紳士的な態度で気持ちがよい。
日本の敗戦がわかっても降参しない大場大尉は
民間人からは、非難されても仕方のない立場であったかもしれません。
でも、米国側の視点を取り入れることによって、
日本軍人として全うした彼を理解しやすく描かれています。
今までにない大迫力の戦闘場面でしたが、よくある戦争の悲惨さだけではなく、
戦争の愚かさと生き抜くことの尊さが伝わってくる作品。
本音のレビュー
自決することよりも生きることを選択するほうが
彼らにとっては辛かったはず。。
その無念さがこちらにも伝わりますので、
こらえきれずに涙を流している年配の男性もいらっしゃいました。
大場大尉には、心から敬意を表します。
竹野内さんの女性ファンが、
「死ななくてよかったわよね。」と…。