先日、ドラマで、阿部寛さんがハマリ役ともいえる主人公、加賀恭一郎を

演じていた 『赤い指』 。

推理をするというよりも、老人介護や家族、教育問題という、現代における

社会問題が核となっている、犯人の二転三転する心情がよく描かれていた

作品でした。



このドラマを観ていて思い出したのが、数年前に読んだことのある

この 『仮面山荘殺人事件』 。

仮面舞踏会で起きた殺人ではなく、

犯人が ”仮面” を被って、本性を隠しているという意。
推理小説ファンの方でしたら、このプロットはそれほど物珍しくもないと

思います。

私でさえ、数ページ読んだところで、「もしかして・・・」と

ほぼ分かってしまったくらいですから。

最後の最後まで、「そうであってほしくない人」でした。

ヒントは、手法かな。。

かつて、クリスティの作品にもありました。




      
     ■Jewel Box■



二作に共通しているのは、

狡猾な犯人に対してかなり憤りを感じたことと、

(もぅ、感情移入し過ぎ!ガーン

切ないまでの思い遣りと愛情に胸がぐっとくることです。

涙をこらえるのがつらいほど・・・。




個人的には、東野作品の犯罪心理小説の中でも、

かなり傑作だと思っております。