先日、ドラマで、阿部寛さんがハマリ役ともいえる主人公、加賀恭一郎を
演じていた 『赤い指』 。
推理をするというよりも、老人介護や家族、教育問題という、現代における
社会問題が核となっている、犯人の二転三転する心情がよく描かれていた
作品でした。
このドラマを観ていて思い出したのが、数年前に読んだことのある
この 『仮面山荘殺人事件』 。
仮面舞踏会で起きた殺人ではなく、
犯人が ”仮面” を被って、本性を隠しているという意。
推理小説ファンの方でしたら、このプロットはそれほど物珍しくもないと
思います。
私でさえ、数ページ読んだところで、「もしかして・・・」と
ほぼ分かってしまったくらいですから。
最後の最後まで、「そうであってほしくない人」でした。
ヒントは、手法かな。。
かつて、クリスティの作品にもありました。
二作に共通しているのは、
狡猾な犯人に対してかなり憤りを感じたことと、
(もぅ、感情移入し過ぎ!)
切ないまでの思い遣りと愛情に胸がぐっとくることです。
涙をこらえるのがつらいほど・・・。
個人的には、東野作品の犯罪心理小説の中でも、
かなり傑作だと思っております。