大石内蔵助率いる赤穂浪士の討ち入りは、
時が、戦国時代ではなく泰平の世であるからこそ
世間を沸かせた一大事でした。
この 『仮名手本忠臣蔵』 は、 『菅原伝授手習鑑』 、 『義経三本桜』 とならぶ
人形浄瑠璃の三大傑作といわれております。
今回は、
三段目 足利館松の間刃傷の場
師直(吉良上野介)は初役となる幸四郎さんと
塩冶判官高定(浅野内匠頭)を演じる染五郎さんとの親子対決。
師直は、判官の妻である顔世御前(福助さん)に横恋慕をして、
今でいうセクハラまがいのことをしていたのですね。。
顔世御前の返歌は、婉曲的なお断りであったことから
その夫である判官をねちねちと苛め抜くのです。
(男性の妬み、陰湿なイジメは醜いですね。)
じっと耐えていた判官も、思わず刀の柄に手をかけてしまい、
師直に斬りつけますが、とどめを刺すことは叶わず。。
四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
門城明渡しの場
浄瑠璃 道行旅路の花聟(はなむこ)
人目を忍ぶ道行旅路のお軽(福助さん)と早野勘平(染五郎さん)。
美男美女だからこそ絵になるこの道行場面。
福助さんが、その華麗なる舞と所作で、
好きで好きでたまらない勘平への思いを表現されていたのが
素晴らしかったの一言に尽きます。
かわいくって艶のある福助さんを見習わなくては!
あまりのキレイさに、母とふたりで魅入ってしまったほど。
七段目 祇園一力茶屋の場
二役の幸四郎さん、ここでは、大星由良之助(大石内蔵助)。
主君の無念をはらすため、仇討ちという大望をカモフラージュ
するために廓勤めをしている場面。
着流しの幸四郎さん、男の色気が漂っていました。
十一段目 高家表門討入の場
同 奥庭泉水の場
同 炭部屋本懐の場
引揚げの場
幸四郎さんの本懐を遂げたという達成感と満足感
きりりとしたお顔で花道を引き揚げていくお姿がステキでした。
(「高麗屋(こうらいや)!」、「二枚目!」という声が掛かりましたよ。)
この掛け声も、粋で楽しみのひとつです。
華麗なる舞台に引き込まれて、
あっという間の5時間(正味4時間くらい)でした。