男性だけが罹ってしまう疫病が席巻した江戸、徳川時代、
男性は女性の4分の1に減少していたため、
必然的に、重要なポストには女性が就き、
男性が女性に体を売ること(子孫を残すため)が日常という、
まさしく男女逆転の浮世のお話であります。
(右)花魁も男性なのですよ。↑
なんてうらやましい、と思う男性諸氏は、
この映画をご覧になれば、
「ああ、甘かった。。」ということに気づかれることでしょう。
美しき才知にあふれている男たち3000人の男の園となった
大奥に渦巻く、野心、嫉妬、策略、愛。
男性同士の妖しい関係もあり・・・、
「ここは暗い・・・
輝くばかりの美貌や才能を持つ者たちが
ひしめいているというのに、
みなの心が暗いのだ・・・」
この水野(二宮和也)の一言にすべてが集約されていると
思います。
将軍の寵愛を求めて、
日夜、才色兼ね備えている着飾った男たちが
熾烈な競争を繰り広げていた一方、
男勝りの吉宗(柴崎コウ)は、
不況の世を憂い、質素倹約を掲げて
果敢に幕府や大奥の抜本的改革に挑む
知性に富んだ女性だったのです。
見初められた水野は、
将軍にとっては”初めての男性”となるのであるが、
悲しき掟があるために・・・、
「この先、大奥にて
見聞きすること 一切他言無用である」
とありますゆえ、
このくらいにしておきます。
(打ち首にされたら、こわいです。)
切なくさせる絵巻物語です。。