薄紫色に染まった夜明けが美しい横浜港の表紙。
「この恋は、甘い地獄。
彼女が天使とは限らない。」
この衝撃的な一文に惹かれた本。
真面目に生きてきた主人公が不倫の恋に堕ちるのですが、
(昨今、珍しいことではないですが)
彼女に隠されている過去の殺人事件。
そう、妻に嘘を重ねながら、恋に堕ちてしまった女性に対して
疑惑を覚えるのです。
果たして彼女は天使なのか、悪魔なのか。。
家庭と愛人の狭間で揺れ動く男性の、さまざまな葛藤や
心理描写が非常に細かく書かれており、疑惑を持ってしまった
相手に対してだんだんと怖くなっていくのです。
もしも私だったら、、、
まず、疑惑を持ってしまったら、
愛情を持ち続けるのは、難しいと思います。
信じることのできない人とは、恋愛に限らず
人間関係を持続させることは到底無理だと思っています。
東野氏のミステリー作品として考えるのではなく、
(ミステリーだと精彩に欠くから)
”不倫の恋”プラス”疑惑”というストーリー。
ラストの捉え方も二極化かなあ。。
個人的には、この文章の結び方は嫌いではないですね。
もちろん、ミステリーとしてではないですが・・・。