父親の顔も知らず、薬物中毒の母親や兄弟とも離れ、

雨風をしのぐ場所もないほぼホームレス状態の少年、

マイケル・オアー。

のちに、アメフト全米代表選手となったマイケル・オアーの

実話です。



原題の『THE BLIND SIDE』とは、

アメフト用語で、死角、盲点という意味だそう。

彼は、誇りと愛情のために、ブラインドサイドを守るように

なるのです。




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真冬の夜、震えながらとぼとぼと歩いているマイケルを

偶然見かけ、車に乗せて自宅に連れ帰った

リー・アン(サンドラ・ブロック)。

最初は同情からだったのでしょうが、マイケル(クイントン・アーロン)

の悲惨な幼年時代の話や行動を見ているうちに後見人になります。



リー・アンや夫のショーン・テューイ(ティム・マッグロウ)夫婦は

さりげなく手を差し伸べるが甘やかさない、が、彼のプライドを尊重する

といった大らかで敬虔なクリスチャン。

知的で自分の主張をきちんとするりー・アンは、

気立てがよく愛情に満ちあふれているエレガントな女性。

マイケルの人並みはずれた『保護本能』を見つけ、それを

上手に引き出していくのです。



美しいだけではなく愉快なサンドラには、適役でしょう。

この夫婦の子どもたちも、素直で優しく育っており、

S・J・テューイ(ジェイ・ヘッド)が、おしゃまで可愛いです。

リー・アンとアメフトのコーチとのやり取りや、

マイケルとS・Jとのアメフトの練習が面白く、

思わず笑ってしまいます。ニコニコ




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                  原題: THE BLIND SIDE (2009年 米)



マイケルは決して愚かなのではなく、

ただ、勉強する機会がなかった・・・。

周りの人たちは、彼に対して学問を教えるだけではなく

彼らたちも彼によって学んでいくのには感動します。



マイケルの哀しい目が、この陽だまりのような温かい家族に

出会ってから、楽しそうな目に変わるのです。

まだまだ、人種差別が色濃く残っている米南部だけあって

リベラルではないこの家族に対して、かなりの批判があった

とのこと。



でも、それをものともせずに一人の人間に対して、

童話を読んであげたり、あたたかいベッドを用意することは

なかなかできないことだと私は尊敬の念を抱きます。



真摯にまっすぐに生きているマイケルと

温かいステキなファミリーに乾杯!





           シャンパン