決して斗真クンを観にいったのではなく、
太宰治の遺書といわれる作品の映画化だからですよ~。
資産家の息子である大庭葉蔵は、太宰自身を投影されて
いるといわれていますが、その破天荒ぶりは半端ではないのです。
これは、葉蔵が繊細な上に彼独特の感性をもっていたため、
幼少時から周囲のひとたちになじめなかったせいかもしれないですね。
美しい容姿と生来の魅力ゆえに、女性を魅了するだけにとどまらず、
同性までも・・・。
ひとくちに、気難しいといえばそれまでなのですが、
彼は、どこに居ても、また、ひとに囲まれていても
自分の居場所を見出せなかったのかもしれません。
それゆえに、お酒や女性に溺れていき、堕ちてゆく。。
挙句、女性と心中して自分だけが生き残る。
たぶん、最初に心中を図ってひとり死んでゆく常子を
演じるのは、寺島しのぶさんだろうと思いましたが
その通りでした。
彼女は、寂しさを抱えながら、葉蔵の我侭を全て
受け止める女性になりきっていました。
これからも注目したい役者さんですね。
母性の強い女性は、ダメだと思いながらも、
こういうダメンズ(駄目な男性)に惹かれる、といわれますが、
一緒に堕ちていき心中するのはどうかな~。
もし、私だったら、できる限りこの世で救ってあげられるように
努力すると思います。
(その前に、お付き合いをパスしますが・・・。)
映像や音楽(アヴェ・マリア)もマッチしていて、
たまには、純文学もいいですよ。