映画には、前半から盛り上がるもの、
後半から盛り上がるものとがあると思います。
(ず~っと、というのはムリですものね)
僭越ながら個人的な感想を申しますと、本作はまさしく後者。
『冬のソナタ』のときもそうでした。
ひとつひとつのエピソードを同時進行させる群集劇であり、
『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャル監督らしい
テンポのよい演出ですから、キャスとその背景を理解するのに
時間を要するからかもしれません。
リズミカルな展開ですので、さまざまな伏線を張っておいても
「ああ、こういうことだったのね」とすぐに分かりますし、
ストレスなくして観ることができます。
扇が開くように見えてくる老若男女の恋愛模様は、
笑いもあり、苦くもあり・・・。
チョコレートにも、甘いミルクやほろ苦いビターがあるように。。
アメリカの”子ども店長”さんのようなおませな男子の恋が可愛い!
結婚50年を過ぎた熟年夫婦にも憧れますね。
若き日のシャーリー・マクレーンが映っているスクリーンをバックに
シャーリーが両手を仰ぐシーンでは、感激して拍手をされた観客の
方もいらしたほど。
この印象的なシーンは、多くの伝説的な映画スターが眠っている
『ハリウッド・フォーエバー墓地』で撮影されたのだそうです。
思わずうなってしまうこの演出、シャレていますね。
登場するだけで貫禄を感じられるのは、さすが往年の大女優!
原題: VALENTINE'S DAY (2009年 米)
ロサンゼルスが舞台。
キュートな素顔のほうが断然イイ、ジェシカ・アルバ、
意外な副業が面白く笑いを誘う、アン・ハサウェイ、
『エリン・ブロコビッチ』を彷彿とさせる、ジュリア・ロバーツ、
イケメンでゲイだったショーン・ジャクソン、
ベテラン女優のキャシー・ゲイツもいい味を出していますね。
そこの花屋兼カフェのシエナ・ブーケを中心にして
起こる人間模様。
「いいところだけではなく、悪いところも全てひっくるめて
好きになる!」などなど、
ステキなセリフの宝庫であるこの作品、
とってもとっても深いです。
みぞれ混じりの冷たい雨が降っていましたが、
帰路はほっこりと温かくなり、ハッピーな気分に。
愛することって、やっぱり素晴らしい!
全てのひとたちが愛しく感じられる映画でした。