CHANEL N°5は、シャネルのアイコンとして
また、マリリンモンローが眠るときにN°5を纏っていたと
いうエピソードは、あまりにも有名ですね。
そのN°5の誕生とストラヴィンスキーとの背徳の恋を
描いているストーリー。
この出逢いによって、『N°5』と『春の祭典』が生み出されたと
言っても過言ではないでしょう。
【あらすじ】
1913年、パリのシャンゼリゼ劇場で幕を開けた≪春の祭典≫初演
で、酷評の嵐だったイゴール・ストラヴィンスキー。
その7年後、未だ立ち直れないでいる偉大な作曲家の才能を見抜いて
いたシャネルは、彼に支援を申し出る。
そして、ストラヴィンスキー一家とシャネルとの奇妙な共同生活が
始まる・・・。
(C) EUROWIDE FILM PRODUCTION
原題: COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY (2009年 仏)
シャネルを演じているのは、『アリュール』のミューズとして話題となった
アナ・ムグラリス。
カール・ラガーフェルドが当時を再現して作ったといわれる
贅をつくした衣装を優雅に着こなしているのはさすがです。
身のこなしもエレガント。
シャネルは、片時も煙草をはなさないのですが、それさえもサマに
なっていました。
ふたりの芸術家は、互いに響きあい情熱的に愛し合うのですが、
仕事に、そして自身に対して確固たるプライドを持っているシャネルに
言ってはいけないひとことで思いがけない結末を迎えます。
友人とびっくりしたのは、ストラヴィンスキーの妻が、シャネルと夫との
関係に気づき、「良心の呵責はないの?」とシャネルに静かに聞いた際、
顔色も変えず「ノン」と即座に答えたシーン。
この時代、これくらい肝が据わっていないと女性ひとりでは成功を
掴めなかったのでしょうね。
香水誕生のシーンで名前を考える場面でも、彼女は『シャネル』という
ネームを譲らないのですよね。
また、「”花”の”香りよりも”女”の香りを・・・」と言った彼女の
N°5へのこだわりがひしひしと感じられました。
ファッション、インテリアのすべてがシックエレガントで
目の保養となりました。
スクリーンから、大人の香り(私はなぜかアリュールをイメージ)が
そこはかとなく漂ってくる作品。