辻 仁成氏の同タイトル小説の映画化、
中山美穂さんの久しぶりの主演作品ということで
観にまいりました。
『冷静と情熱のあいだ』以来で、
やはり叙情的な映像が美しかったですね。
試写会では、酷評がみられましたが、
たぶん、いきなりのシーンが多くて
「なぜ、こうなるのだろう」と疑問が残るからだと思います。
できるならば、本をお読みになってからのほうが
解かりやすいかもしれません。
とうこ
愛されることが全てという情熱的な謎の女性、沓子(中山美穂)と
婚約者のいるエリートサラリーマン、豊(西島秀俊)が
灼熱のバンコクを舞台にして繰り広げるラブストーリー。
芯が強く一途に豊を愛する婚約者(のちに妻)、
光子役は石田ゆり子さん。
ふたりの恋愛は、形はどうであれ約30年もの歳月にわたるのですが
愛を交わしたのは、たった4ヶ月という”ひとときの愛”なのです。
互いが互いの心の奥底で想いを募らせていく・・・。
(始終、傍にいるよりもこのほうが熟しやすいのでは・・・)
バンコクの映像とバックに流れる音楽がマッチしていて
切なさを増しています。
最初は、”遊び”の肉体的恋愛から始まり、
精神的な恋愛に移行していく過程が
丁寧に撮られているのですが、
やはり男性目線で描かれているのは否めませんね。
まあ、これはいたしかたないところでしょう。
この本のテーマともいえる、
「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトとにわかれる
私はきっと愛したことを思い出す」
(一部だけ抜粋)
私だったら、、、
愛し愛された日々を思い出すでしょうね。
たとえ、それが結ばれなかったとしても。。