幼少時、毎週日曜日に多忙な父と本屋さんに行くのが楽しみでした。
次に買ってもらう本を決めているちゃっかり者の私は、
その本がないと知ったとき、まるでこの世の終わりくらいにガッカリした
思いをしながら帰宅したのを、今でも鮮明に覚えています。
そのときの「教訓」からか、読みたい著書を片っ端からチェックして
買っておく習慣がぬけません。
こちらの『シャルル・ペロー傑作童話集』は、時折催す本屋さんの
バーゲンで新古品を手に入れました。
ビックリするくらいのバリュー価格!
( 欲しかった本を見つけた時の感激は、少女時代から変化ないですね~)
ペローはフランスの詩人であり、コント作家でした。
国王ルイ14世の時代に名をなしましたが、古典重視の宮廷サロンの
大物ボワロ を総帥とした人々から、彼は糾弾を受けたのです。
ペローの味方は、宮廷の貴婦人たちやアカデミー会員たちでした。
これが、フランス文学史上有名な「新旧論争」です。
古くからヨーロッパで伝承していた昔話、炉辺話、伝説といった民間伝承を、
明快でエレガントな文体にアレンジして、文学の域まで高めたところが
ペローの功績であり、その名を普及にしたのです。
『グリム童話』と比較してみると、おわかりになると思いますが、
ペローのほうが、より昔話の原型に近いといわれています。
挿絵は、ギュスターヴ・ドレ。
繊細なタッチと神秘性の奥深さを感じますね。。
本書では、一編一編づつ、最後に教訓が載っているのですが、
一つだけではなく、「表裏一体」的な「もう一つの教訓」が
載っているところも面白く、物事を立体的に捉えることができますね。
昨今では、「活字離れ」と言われて久しいですが、
私にとって「本」は、その時代時代に夢と智慧を与えてくれる、
身近な永遠の「パートナー」なのです。。