今年は、源氏物語が誕生してちょうど千年。
ひとくちに千年と言っても、想像を絶する年数なのですが、
これだけ語り読み継がれてきたというのはすごいことですね。
光源氏がその生涯に対象としました女性の数は、少なくとも21人はいます。
(羨ましいと思う方、若しくは自分の方が凄いと豪語される方もいらっしゃるでしょうが・・・)
ただ、女性をわがものとする権力ばかりを考えているわけではなく、男性のほうにも、それに
相応しい人徳・誠実さがなくてはその生活は容認されないと書かれてあります。
それぞれの女性の身分・才知・容貌などに応じて、それに相応しい待遇を与え、その
生涯を見届けるのです。
そういえば、末摘花という姫君(醜女)に対しても、そして尼になった空蝉も源氏に
引き取られてその庇護の下に、平安な晩年を送りましたね。
その「円満さ」と「寛大さ」があってこそ、初めてプレイボーイの理想といえるのでしょう。
この時代は、ごく限られた高貴な男性だけに求められ、保たれた美徳だったのです。
時代が変わっても、男たちの欲望は変わらない。
源氏ブームを巻き起こした寂聴氏が、権力と色情に生きる「男たち」の性格や心理を
読み解いている雑誌です。
現在、教育テレビで放送していますが、これだけでも面白く読めます。
この時代の女性たちの凛とした潔い生き方が描かれています。
恋愛に悩んだ時、また人生に苦悩を感じた時に紐解くのもいいかもしれません。