ちょうど、1週間前の22日は「いい夫婦」の日でしたね。
その直後、新聞を読んでいましたら、作家の田辺聖子さんのことが特集で取り上げ
られていました。
恋愛、評伝、古典、歴史小説と幅広いジャンルで250冊を越える作品を生み出して
きたとのことですからすごいですね。
「文章は、ヨーロッパの香りがしないといやなの。男女が別れるとき、どうしても
ヨーロッパ、それもフランスのにおいがほしい・・・」とは彼女のスタンスだそうです。
だから、大阪弁にフランスの香りがどことなく漂っているのでしょうね。
田辺聖子の源氏がたり
【詳細】「BOOK」データベースより
<1巻>〈1〉桐壷から松風まで
王朝の、愛の古典の尽きぬ面白さ。
1000年前の時代の匂いと紫式部の真の意図を汲みあげて、奥の深い源氏物語
入門です。
<2巻>〈2〉薄雲から幻まで
無限の弧独と絶望の淵に沈む光源氏。
宮廷の華麗な恋絵巻がおとなの愛の物語に移って、世界最古の長編小説は
佳境に・・・。
一千年前、世界最古の長編小説です。
<3巻>〈3〉宇治十帖
光源氏次世代の若者たちが、霧ふかい宇治でくりひろげる烈しくも無常な恋。
スリリングに展開する最終の巻。
昨年放映された、NHK朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」で、より魅了され
たことと思いますが、田辺作品で古典に目覚めた読者の方は、なんととても多い
のだそうです。
古典というだけでなんだか敬遠されがちですが、彼女の描くやわらかい文体で
ロマンあふれる古典の世界を紹介されますと、全集読破したくなってきますから
不思議ですね。。
自然の移ろい、日常で感じうるささやかな幸せ、友情、そして焦がれるような
恋・・・。
人間の営みや気持ちは、今も昔も普遍なのです。
「読んでくれている人には、いつまでも華やぎの心を失わないでくださいと言い
たい。 華やぎはどこから出るかというと、人が好きっていう気持ち。
やわらかい気持ち、敏感な気持ちを失わないで生きていたら、人生ますます
楽しいと思うわ。」
とは田辺聖子さんのステキなメッセージです。
彼女のエッセーではずせないのが、30数年連れ添ったダンナさま、
通称「カモカのおっちゃん」シリーズですね。
ざんかていにちれき
そのダンナさまが病に倒れ、亡くなるまでの日々をたどった『残花亭日暦』
(題名もいいですよね)でのエピソードをひとつ。
病室で泣いていた田辺さんをダンナさまが、
「かわいそうに。ワシはあんたの。味方やで。」となぜか五七調で励ましたそう。
「ちょっと涙が出るけれど、唇には笑いが出てくる、というふうな小説が書きた
かった」という彼女のお言葉、ウィットに富んでいてステキですよね。
いい夫婦(カップル)とは、
どんな状況下にあっても、最後までお互いを思いやり笑っていられる・・・。
不肖、私にとりましては理想でもあり、憧れですね。。