グルメの父親が他界し、社長令嬢で何不自由なく育った百恵が、厳しいシェフの修行をしながら、「自分の生きる道」を見出していくストーリーです。
素敵な絵と短い文章だけで、おいしい料理を作り味わう様と、肌理細やかな心理描写が際だつ珠玉のコミックです。
私は、作者の人生に対する独自の「哲学」に魅せられてしまい、全作品を読破したほどの大ファンです。
”大人の女性”を描かせたら天下一品である、槇村さとる氏の代表作。
『まず、自分の足でしっかりと立ち、歩ける人』が、この作品のコア。
自分自身としっかり対峙して、努力をして、チャンスを確実に掴み、成長していく。
そういう姿勢が根底にあり、その上で、仕事をして、恋愛をして、様々な人々と支えあい、素敵な関係を築きあげていくのです。
そして、
『おいしい関係』には、作者の言葉を代弁するような二人の女性が登場します。
百恵の母親である藤原淳子と、恩人の織田千代です。
自分の持っていないものを
欲しい欲しいと思うだけで焦ってるなんてバカでしょ
それよりも自分が今持っているものを大切にしなさい
そうすればチャンスがきた時パッと掴めるわ
パッと決断するには
自分の力をいつもわかっていなくちゃ
目はしっかり前を見て
心に夢をしまって
足元は一歩ずつ
チャンスがきたら両腕でつかまえる
千代曰く
男に惚れるのも大事なことだが
基本の自分の人生が決まっとらんと
男も選べんぞ
自分の基盤がつくれん女は
くだらない男に引っかかって惚れあげる
そんな恋はしてても不安でいいこたない
ひとりでもやれて
初めて落ちついて恋だろが
・・・繰り返し読んできた
元気になる本です。
心に響く素敵な言葉が満載です。
フォトは、クリックすると拡大しますので、ご興味の
ある方はどうぞご覧くださいね。