前回に引き続き、私なりに都市部の中学受験について考察したいと思います。
都市部の場合は、進学先に複数の選択肢があるわけですが、
・通学可能な場所か(最大で片道の通学時間は1時間30分程度、大多数は1時間以内と思います)
・合格可能な偏差値帯か
・受験日程が被らないか
この3点で受験する学校の組み合わせが決まってきます。
都市部には偏差値は細切れにたくさんの学校があります。
超難関校の場合、生徒の学力は、
ボーダー偏差値をおおよその下限として、
上限無しの状況です。
難関校以下は、通学圏が被る学校の中で、
その学校のボーダー偏差値をおおよその下限として、上限は偏差値帯が一つ上の学校のボーダー偏差値辺りです。
それぞれの価値観や子どもの性質により、単純に偏差値がより高い学校に進学する子どもばかりではなく、
・男女別学か共学か
・無宗教、キリスト教系、仏教系
・管理型か自由型か
・部活動や校舎、設備
・理系教育、グローバル教育などの教育内容
などでも志望度が左右されますので、最難関校に合格できても、難関校を選ぶ子どももいるわけですが、やはり学校の偏差値というのは重要な指標だと思います。
そして、これまでご説明したように、
地方にある偏差値60の学校(周辺にそれ以上の学校がない)と、
都市部にある偏差値60の学校(周辺に58も62も65もあるし、70超える学校もある)とでは、
上澄み層の学力や割合が大きく異なります。
チャレンジ校に合格した場合に、
・他の生徒ほど勉強出来てなかったり、
・親が忙しくてフォロー出来てなかったり、
・塾の冠特訓を受けてなかったり、
などのお子さんは、入学後に伸びる可能性が高いです。
逆に、
・寝る間を惜しんで勉強していたり、
・親が生活から勉強まで全てをフォローしていたり、
・冠特訓をフルコースで受けて手厚いサポートのもと奇跡の合格、
という場合は、使えるものを最大限使ってのギリギリ合格ですので、入学後も成績では下位をうろうろすることになりそうです。
都市部の進学校は、入学者の上下の偏差値帯が狭いので、下位と上位の差が少ないために、ギリギリで入ってもそれほど困らないかもしれません。
しかし、同じ偏差値の地方の学校には進学実績が及びません。
地方の進学校は、入学者の偏差値帯が非常に広いため、その学校の対策をやり尽くして、ようやくボーダーで合格した子は、入学後は苦しい6年間かもしれません。
何とか頑張って入学さえすれば、その学校の大学合格実績の恩恵に預かれるわけではないんですね。
(都市部の最難関校は別です。例え奇跡の合格と思っても、ボーダー偏差値自体が非常に高いので、そのレベルに到達できるお子さんなら、難関大学に充分合格できる能力を持っている場合が多いです。最難関校の入試問題を、合格できる程度の解けた時点で、奇跡の合格でも何でもなくて実力なんでしょうけどね。)
大学入試には、一般入試以外に、様々な入試がありますが、
難関大学、国公立大医学部では、一般入試(学力主体)が主流です。
大学合格実績は、中学入試の時点でどのような生徒を集めれるかで、かなりの部分が決まっていて、
学校の授業内容やら進路指導やらで、生徒がぐんぐん伸びた、ということではないと思っています。
進学校が実績を上げるには、中学入試の時点でどれだけ優秀な生徒に受験してもらえるかですから、学校側も魅力のアピールに必死です。
ある程度、学校の偏差値が上がってくれば、今度は優秀な生徒を選別出来るように入試問題を徐々に難化させていきます。
難関校以上の入試問題を見ると、
量の多さ(処理速度)、
難易度の高さ、
暗記で対応できる問題の少なさ、
などから、地頭が良くないと解けないな、と。
地頭が良い生徒が入学するんだから、大学の合格実績も良いはずです…