取材をすることで
相手の心に寄り添えたり、
気がつける部分があるなと
感じることがあります。

いまニューヨーク証券取引所に
カナダの国旗が掲げられているのを
ご存知ですか。



先日、カナダで
ジュニアアイスホッケーチームのバスと
トレーラーが衝突する事故があり、
バスに乗っていた16~21歳の選手
15人が命を落としました。

このニュースが報道されてすぐ
NYSEでは哀悼の意を示し
カナダの国旗が掲げられたのですが、
私は隣国だから、という理由だけでは
ないと感じています。


カナダとアメリカは
アイスホッケーの強豪国。
長きに渡り、世界のアイスホッケーを
牽引している二大大国です。

2つの国ではテニスコート並みに
アイスリンクがあって、
子供からお年寄りまで
ごく普通に遊ぶ風景が
暮らしに根付いているそうです。

先月、平昌パラリンピックで
カナダ対アメリカの決勝戦を
取材したときも、
他の試合とは比べものにならないほどの
両国民の声援と熱気を感じました。

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会場が総立ちとなるほどの熱狂。

国民的ウィンタースポーツとして
絶対に負けられないというプライドと、
そこには同時に、
本気でぶつかり合うことによる
互いへの敬意を感じました。

パラリンピックで優勝した
アメリカ代表のエース、
デクラン・ファーマー選手も試合後、
「カナダは長年のライバル。
素晴らしいチーム」と
相手を讃えるコメントを残しています。

だからこそ
今回のバス事故を受け、
ライバルであり、戦友である
カナダホッケーチームの悲しみに
最も寄り添えたのは、
他でもないアメリカだったのでは
ないでしょうか。

このニュースのあと
NYSEに掲げられたカナダ旗を見て
その理由がすぐに分かりましたし、
アメリカにとっては
至極当然のことなのだろうと思えました。

もちろん遠く離れた国にも
心を痛めている方は
沢山いらっしゃると思います。
ただ、あの決勝戦を目にした者として
カナダ・アメリカ国旗の意味を
思わずにはいられませんでした。

日本もライバル国の痛みや悲しみを
分かち合える国でありたいです。

この度のバス事故により
亡くなられた皆様に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。