映画「アメリカン・スナイパー」。



戦争映画として全米史上最多観客動員数を記録し、アカデミー賞にもノミネートされた作品ということで、公開初日に観てきました。







主人公は、イラク戦争に出征したアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル。


実話をもとに、愛する家族と過ごす日常と激しい戦禍とのギャップに苦悩する隊員の姿をリアルに描いた作品でした。





一言で、今観られて良かった映画。



作品の中で妻が夫に言う、「あなたの心が帰ってこない」、という言葉がとても印象的でした。




その言葉で、私の中のある記憶が蘇りました。




12年前、中学生の私が沖縄を訪ねたときのこと。



かつてひめゆり学徒隊だった女性からこんな話を聞いたのです。




「戦争で最も恐ろしいのは、人の心を無くしてしまうこと。目の前で人が亡くなっても、なんとも思わなくなってしまうの。」




あぁ、あの時おばあちゃんが言っていたのはこういう事だったんだ。



おばあちゃんは今の社会を見てどう思うのだろう。



作品を観ながら、そんなことを思いました。



「歴史は繰り返す」という言葉がありますが、まさにそうではないかと、自戒を含め悲しい気持ちになりました。




戦争体験者が少なくなる今、こうした生の声を聞く機会が減ってきています。

いかに次の世代に「自分ごと」として考えられる機会を提供できるかが、今後の課題だと思います。私も何か力になれればいいのですが…




昨日、安倍晋三首相が今年夏に発表する戦後70年談話に関して、有識者の初会合が開かれましたね。


日本のリーダーは、戦後70年にどのような見解を示すのでしょう。




おばあちゃんの言葉を無駄にしないでほしい…


そう願わずにはいられませんでした。