星野や大気に促されてレイが話したのは
大体以下のようなことだった。

☆★ 2人の決意 ☆★

話は数日前にさかのぼる。

火川神社に1本の電話が入った。

じりりりり・・・。

レイは急いで電話をとった。

レ「お待たせいたしました。
火川神社でございます。」
そのとき、電話の向こう側から聞こえてきた声は
かつてよく聞いた声だった。

海『レイさん、お久しぶりです。』
レイの父、隆司の第一秘書の海堂だった。

レ「海堂さん、どうして・・・。
もしかして、パパに言われて、電話してきたの?」
レイは動揺してはいたが、一番可能性のあることを
口にしていた。

海『相変わらず察しがいいですね。
今、先生と変わりますので、お待ちください。』
その言葉の後に受話器の向こうから
「先生、レイさん出ましたので、変わってください。」
そんな声が聞こえた。

どうせ、そんなことだろうと思っていた。

レイは軽い失望を感じないように、
自分にそう言い聞かせていた。

隆『レイ、おまえに話がある。
来週、そうだな、水曜日しか空いていないので、
そこでいつもの店でどうだ。』

一応、聞いている風ではあるが、今までの経験上、
拒否権がないのはわかっていた。

しかし、とりあえず、言ってみる。
レ「そんな、急に・・・。」

そんなレイの言葉を無視するかのように、
隆『レイ、とにかく水曜日に来なさい。
ほかに空いている日がないんだ。』
レイの父はそう言うと、
レイの返事も聞かずに、電話を切ってしまった。


~~~~~

父に強引に決められた会食の日程。

ここのところ星野が忙しくろくに会えていなかったが、
水曜日は久々に会えると言っていた。

本当はその段階で星野に断りの連絡を入れるべきだったのだろうが、
父と会いたくないレイは、父の気が変わらないかと思っていた。

会いたくなくて会いたくなくて、
結局ぎりぎりになって星野に会えないと連絡したのだ。

そして父との会食。

適当に話を合わせていたので、レイ自身はどんな受け答えをしたか
ろくに覚えていなかった。

星野と大気がいろいろと質問を重ねたところ、
レイもじわじわと思い出してきた。

いろいろと話したが、父の結論としては
星野との婚約は認めない、
そして父の知り合いの政治家の息子との縁談を進めるということだった。

隆「芸能人なんていうチャラチャラした職業など、
我が家の家風にはふさわしくない。
第一、収入も不安定じゃないか。
悪いことは言わん。
婚約はやめろ。」
そういわれて、
レ「もう、パパったら、星野のことを悪く言わないで!」
売り言葉に買い言葉、
レイは思わず店を飛び出してしまったのだ。

レイの父がいっていたという言葉に
大「政治家も落選してしまえばただの人なので、
不安定さは変わらない気もしますが・・・。」
思わず大気はそう言ってしまった。

そして
大「さて、星野、火野さん、どうするんですか?
言われるまま、婚約は解消するんですか?」
大気の言葉に
星「そんなわけないだろう。」
星野はわかりきったことを、といった感じで答えた。

もちろん、レイも同じ気持ちだった。


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やがて、コンシェルジュが
クリーニングのすんだレイの服を持ってきてくれたので、
レイは着替えて帰ることにした。

大「火野さん、今度こそ送りますよ。」
そう大気に促され、レイは帰ることにした。

大気と星野と夜天と一緒にレイは車に乗った。

先ほどの雨は通り雨だったらしく、
すでにやんでいた。

そしてあっという間に火川神社についた。

レ「じゃあ、お茶、ごちそうさまでした。
それからクリーニングもありがとうございました。」
レイは車から降りると、
そう言って3人に向かってお辞儀をした。

そして火川神社の石段を登ろうとしたところ・・・。

星「レイ。」
星野が車から降りてレイの肩をつかんだ。

レイは戸惑いの表情を浮かべたが、
星野はかまわず、言葉をつづけた。

星「何があってもおれの気持ちは変わらない。
おまえと必ず結婚するし、
おやじさんにも認めてもらうようにするよ。」

その表情には揺るがない決意が見て取れた。

星「まあ、見てなって。
おれ、あきらめ悪いから、
土下座でも何でもして
レイとのことは認めてもらうから。」

実際に星野が土下座するなんて考えられなかった。

でも、そこまで言ってくれる星野の気持ちがうれしくて、
レイは思わず目に涙を浮かべて
レ「うれしい。」
そう言っていた。

星野はレイのほほにキスをすると車に乗って行ってしまった。

レイは改めて、父に星野とのことを認めてもらうよう、

決意を固めていた。


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pixivにて、先行掲載しています。



以下、pixiv掲載時のキャプションより転載
(原文のまま)

こんにちは。Lilac(ライラック)です。

星レイです。

需要ないのはわかっております。

すみません。

話は進んでいません。