大「9時ですね・・・。」
大気はそうつぶやくと玄関を出た。

☆★ 運命のMind ☆★

スリーライツの住んでいるマンションの別の部屋に空室が出たので、
夜天とみちるはそこへ新居を構えていた。

そして今日はみちるの5か月検診の日だった。

夜天が付き添いたいからと言って、
大気は仕事の調節をして、夜天が付き添えるように計らった。

そして大気は2人が病院へ行っている間、
家の掃除をするため、2人の新居へ合鍵を使って入っていった。

むろん、2人には話をちゃんと通している。

身重のみちるに負担をかけるわけにはいかなかった。

1時間くらいたったころであろうか、玄関でドアがあく音がした。

健診帰りにしては早すぎる。

大「夜天?忘れ物でも・・・。」
大気は玄関にいる人物に驚いた。

その人物はせつなだった。

大「せつなさん。」
せ「あ、大気さん、いらしてたんですか。」
せつなも驚きを隠せなかったようだった。

せ「みちるから今日検診だと聞いていたので、
その間少し家事をしておこうと思ってきたんですが。」
せつなも大気と同じような目的できたようだった。

大気は同じような目的できたことを告げ、
せつなと2人で家事を分担して担当することにした。


家事を片づけてから、大気は少しお茶でもどうかと
せつなを誘ってみた。

せつなも悪くないと思ったらしい、
大気の誘いに応じてきた。

~~~~~


大気と星野が住んでいる部屋へせつながやってきた。

きっちり片付いている部屋は大気の仕事のたまものだろう、
せつなはそれなりに居心地のよさを感じていた。

ふと、せつなはリビングにおいてある1冊の本に目が留まった。

それはツインソウルをテーマにした本。

みちるが興味を持っていた本だった。

せ「その本は・・。」
せつなの言葉に大気はその本を手に取った。

大「実は、夜天から、自分たちが地球に来たことで
みちるさんとめぐりあえたのではないか、
そういわれたんです。」

大気の言葉にせつなもうなずいた。

くしくも、みちるも同じようなことを言っていた。

めぐりあうことが奇跡といわれるツインソウル、
そして夜天とみちるを結び付けた同じ本が、
自分と大気、それぞれ持っていたことに
なんだか運命のなせる技をせつなは感じていた。

これが単なる偶然だとは思えなかった。

そう考えていたものの、
せ「星野さんのこと、本当に感謝しています。」
せつなは星野のことに話題を向けた。

星野が最近頻繁にはるかを連れ出しているため、
はるかもようやく立ち直ってきたようだ。

そのことに対する感謝の気持ちを伝えた。

大「いえ、もとはといえば夜天の不始末から
こんなことになってしまったので、
わたしたちは少しでも罪滅ぼしになればと思っていたのです。」
大気はせつなに対してそう答えた。

せつなは大気の気持ちが痛いほどよくわかった。

こういうことになってしまったが、
実は自分と大気は意外に波長が合うのかもしれない、
せつなはなんとなくそう感じていた。

~~~~~


せつなは家に戻った。

ほたるが学校からかえってくるにはまだ時間がある。

携帯電話に残るスリーライツの
メンバーとのやりとりを見返してみた。

大気とのやりとり、あらためて見ていると
やはり価値観が自分と似ているかもしれない、
せつなはそう感じていた。

はるかのこととは関係なく、
大気と友情を結ぶのも悪くないかもしれない、
せつなはそう思っていた。

スリーライツは地球人の知り合いは多いかもしれないが、
友人はそう多くないかもしれない、
ならば、自分たちが友人づきあいをするのは
スリーライツにとってきっとメリットもあるだろう。

それに大気とは何かあったら
またじっくり話をしたいと思っていた。

こう思ったのも久しぶりでせつなは戸惑っていた。

せつなは思い切って大気に電話をかけてみた。


せつなからの電話に大気は驚いた。
大「先ほどお会いしたときに、なにかお忘れ物でも?」
大気はそんな言葉を返してみた。

せ「いいえ、先ほどお話しした際にとても楽しかったので、
今後もお友達付き合いができればいいと思いまして。
ご迷惑でなければ、今後もわたしとお友達付き合いをしていただけませんか?」

せつなの申し出に大気は驚くと同時に
うれしい気持ちが込み上げてきた。

自分たちが今地球にいるのももしかしたら意味があるのかもしれない
そう感じた大気は
大「ええ、喜んで。」

思わずそう答えていた。

Fin


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pixivにて、先行掲載しています。


今回のストーリー 


以下、pixiv掲載時のキャプションより転載
(原文のまま)

こんにちは。Lilac(ライラック)です。

夜みち、星はるときたら大せつを書かないと気がすまなくなりました。
なので書いてみたのですが、やはり動かしづらいキャラのせいか中途半端なできになってしまいました。

大変失礼いたしました。