レ「はあ~~~っ。」
レイは派手にため息をついた。
☆★ あなたに贈るキンモクセイ ☆★
ここのところ、星野とろくに会えていない。
期末テストが終わってから、星野は映画の撮影があるとかで
ずっと忙しそうにしている。
その状態で夏休みに入ってしまい、
まさかの1人の夏休み。
今年は星野とデート三昧の夏休みを思い描いていたのに。
レ「お誕生日、一緒に過ごせるかな・・・。」
この忙しさではそれすらも怪しい。
それでも、プレゼントだけは用意したい。
何がいいかな。
星野だってアイドルなわけだから、
きっとファンの女の子からいっぱいプレゼントはもらうだろう。
でも、自分はそこらのファンとは違う。
恋人にして、婚約者なのだ。
ファンの子たちとは差をつけておきたい。
と、その時いいアイディアが浮かんだ。
レイは大気に電話をかけた。
*****
星野の誕生日の前日になって、
星野からメールが来た。
星[毎日忙しくて、返事もできなくてごめん。
明日はちょっとだけ、会えないか?
会いたい。]
レイはうれしくなった。
レ[うん、うちに来て。
あたしも会いたい。]
そう返事を送った。
*****
翌日の星野の誕生日。
星野からは来るのは夜になってしまうと
言われていた。
それでも、レイは久しぶりに会えることに
心が弾んでいた。
早く星野が来てくれないかな、
待ち遠しくてたまらなかった。
*****
夜になった。
ピンポ~ン♪
インターフォンの音にレイの鼓動がはねた。
いそいそと玄関に向かうレイ。
星「悪い、遅くなっちまって。」
そんな星野の言葉に、
レ「約束は守ってくれるって信じてたから。」
レイはそんな返事で返す。
そしてレイは自分の部屋へ星野を通した。
レ「ちょっとお茶入れてくるね。」
そう言って部屋からいなくなったレイは
やがてポットとともに戻ってきた。
ポットから香ってくるかおり。
このかおりは・・・。
星「キンモクセイのかおり・・・。」
レイはうなずくと、
レ「大気さんに聞いたの。
キンモク星ではいつでもキンモクセイの花が
満開なんですってね。」
星野は黙ってうなずいた。
レ「この間、キンモクセイ茶を見つけたの。
もしかしたら、星野が喜んでくれるんじゃないかって。」
星「レイ・・・。」
レ「このかおりで少しでもリラックスしてもらって、
星野の疲れをいやせればいいなって思ったの。
それがあたしのプレゼント。」
大気も言っていた。
大「星野は今ものすごく忙しいですから、
少しほっとする時間が欲しいのかもしれませんよ。」
その言葉がヒントになり、このプレゼント。
素直に大気に聞いたと白状するような潔さも、
彼女らしい。
そんなレイからのプレゼント。
星野はとてもうれしかった。
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pixivにて、先行掲載しています。
以下、pixiv掲載時のキャプションより転載
(原文のまま)
こんにちは。Lilac(ライラック)です。
かなりぎりぎりですが、星野くんのお誕生日小説、間に合いました。
やっぱり・・・、という感じのある星レイです。
すみません、やっぱり星レイ好きなんです。
星野くん、お誕生日おめでとう!