メ「セーラージュピター、待っていてください。」
嵐の中温室へセーラースターメイカーは向かっていった。

☆★ 緑の縁 ☆★

学校の温室へ着いたが、まことの姿を見つけることはできなかった。
メ(見込み違いだった?)
当てが外れたと思ったものの、温室に向けて目を凝らすと、
懐中電灯の明かりらしきものがちらついているのが見えた。

メイカーはやはりここだったか、と安堵し、
温室の入口へ向かった。

温室に入ると、停電しているのか、室温がさほど高くない。
その中で先ほど見えた懐中電灯の明かりの方向を見定める。

一方、先ほどメイカーがみた懐中電灯の明かりの主は
やはりまことだった。

まことは元気がないと思っていた植物が気になって、
来ていたのだった。

ま(やっぱり、こんな天気の日に来るのは無謀だったか・・・。)
とは思うものの、そうはいっても温室が停電してる以上、
植物を気にして正解だと思ってもいた。

気になっていた植物をとりあえず家へ持ち帰ろうと
土を掘り返し始める。

その最中、まことの上方の屋根の鉄骨が折れ、
まことに向かって落ちてきた。

ま(しまった!間に合わない・・・。)
と思ったその時、1つの影がまことの前に飛び出してきた。

メ「ああっ!!」
メイカーだった。

ま「メイカー!」
メイカーは鉄骨を背中に受けたショックで意識を失い、
変身も解けてしまった。

ま「メイカー!大気さん!しっかりして!」
まことが大気をゆするが応答がない。

ま(どうしよう、このまま大気さんを置いていくわけには・・・。)

屋根の鉄骨が崩れたせいで、今は直に風雨がまことと大気を襲っている。

ぐずぐずしてるわけにはいかないのだが・・・。

そのとき、
「セーラージュピター!」
2つの声が聞こえた。

2つの声はセーラースターファイターと
セーラースターヒーラーだった。

ヒ「メイカーのスターシードの輝きを追ってきたんだけど、
ここだったなんて。」
倒れている大気に目を移すと、
フ「あたしは大気を運ぶから、ヒーラーはセーラージュピターをお願い。」
ファイターはそういった。
ま「ファイター、あたしは大丈夫だよ。」
ヒ「こんな天気の日なんだし、帰るのだって大変じゃない。
あたしたちにまかせなさい。」
ヒーラーに言いくるめられて、そのまままことはヒーラーの腕に抱えられる。

ファイターは大気を腕に抱えて、
2人は高く飛んだ。

~~~~~

結局まことはスリーライツのマンションでお風呂を借りたうえ、
星野のスウェットまで貸してもらった。

星「木野、大丈夫か?」
星野が聞いてくる。
ま「大気さんは?」
まことは自分をかばって鉄骨をその背に受けた大気のことが気になっていた。
星「あいつは大丈夫だよ。
今、夜天が治療してるし、もともと変身してるときに受けたけがなんだろ?
ならば、そこまで重い状態にはならないはずだ。」

ま「大気さんのそばにいたい・・・。」
まことのことばに星野はうなずいた。

星野が大気の部屋に案内する。
夜天が大気の背中に手を当てていた。

夜天はまことの姿を認めると、
夜「とりあえず、処置できるだけしておいたから、
じきに目が覚めると思う。
あとはよろしく。」
まことの気持ちを見透かしたかのようにそういった。

どれくらい時が過ぎたのか、
風雨が収まったぐらいの時間帯に大気は目を覚ました。
傍らにはまことがいた。

大気に付き添っていて、いつの間にか眠ってしまったのだろう。

まことの肩に大気は自分の手を置いた。
ま「ん・・・。」
まことが目を覚ましたようだ。

大「起こしてしまいましたか。」
大気のその言葉に、まことは
ま「大気さん、よかった。」
とつぶやくと、
ま「大気さん、人のことよりも、もっと自分のことを気遣ってください。」
ついつい厳しいことを言ってしまう。

ま「でも、さっきは助けてくれてありがとうございました。」
顔を赤らめながら大気にお礼を伝えた。

そんな2人の様子をドアの隙間からこっそり
星野と夜天がのぞいていたことには、気づいていなかった。

~~~~~

大「先ほど、目を覚ました時、なんだか温かい光を感じました。」
大気は背中の痛みが多少あるものの、
家の中を動くのに支障がなかったため、
リビングに出てきていた。

大「あまりにも温かかったので、プリンセスかと思ってしまって、
これでは木野さんに失礼ですね。」
大気は言ったのだが、
星「案外それは失礼じゃないかもよ。」
星野がそれを否定した。

大「星野、それはどういうことですか?」
星「レイは火星のプリンセスでもあるって聞いた。
ならば、木野も木星のプリンセスじゃないかって思って。」
星野の返答に
ま「星野くん、それはあってるよ。
あたしは、木星のプリンセス、プリンセスジュピターなんだ。」
大気は驚いた。
大「木野さんもプリンセスだったとは。」

ま「あの、大気さん、あたしの前世のこと、聞いてもらっていいですか?」
大「それはかまいませんけど。」
星「おれたちがじゃまなら席外すぜ。」
ま「別に、邪魔じゃないから、聞いててもらってもいい?」
まことは1つ息を吐くと、
ま「あたしは前世でプリンスエンディミオンの従者の1人の
ネフライトってやつに恋をしていた。」
3人は黙ってうなずいた。

ま「でも、何の運命のいたずらか、結局あたしたちは殺し合いになって、
転生してからも殺し合いの運命を背負わされてしまった。
大気さんは茶色い髪で、ネフライトも茶色い髪をしていたから、
大気さんと一緒にいると前世からの運命を克服できる気がするんです。
だから、友達でも構わないから、一緒にいてもらえませんか?」

大「それは遠回しの告白ですか?」
大気が意地悪そうな目で問いかける。
ま「いや、どっちでも・・・。
大気さんのとりたいようにとってもらって・・・。」
まことはしどろもどろだった。

大「最近植物と一緒にいると、安らぎを感じます。
そして木野さん、あなたと一緒にいても、安らぎを感じます。
もし、一緒にいたい、というのが木野さんの希望であれば、
答えは「Yes」です。」

その答えはまことの心を破壊した。

まことは自分の顔が赤くなるのを感じた。

大「よろしくおねがいします。」


美「え~、まこちゃん、大気さんと付き合うの?」
美奈子が聞いてきた。

ま「う~ん、まだ恋人っていうより友達の延長みたいなもんだけど、
付き合うっていったら、そうかも。」

先輩に失恋してからなかなかうまくいかなかったまことも
恋がまとまった雰囲気になったことに、
内部戦士たちは(美奈子を除いて)喜んでいた。

レ「まあ、デートとかの指南はあたしかうさぎがするから。」
レイがまことへのフォローを口にすると、
亜「美奈子ちゃん、あたしも恋人いないから、仲良くやってきましょ。」
亜美も美奈子へのフォローらしきことを口にする。

う「とにかく、まこちゃんの幸せにかんぱ~い!」
うさぎは満面の笑みだった。

よかったね、まこちゃん。
みんながその思いでいっぱいだった。

Fin

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pixivにて、先行掲載しています。


こんにちは。Lilac(ライラック)です。

すみません、続きです。
なんとも中途半端な話になってしまい、
申し訳ございません。

そのうえ強引にネフまこ要素も投入してしまいました。
何もかもが強引です。

この話は一応ここで終わりです。
大変失礼いたしました。