とぅるー はぴねす  (43ページ)  | 緋鷹由理 

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たぬこと熊太の徒然日記を主に掲載しています。

闇の中  8

 

正直僕は彰の筋トレ好きを少し甘く見ていたらしい。

俺は筋肉を愛することに一切の後悔はねぇ。

でもよ、ヒロ。お前はどうだ?

高群さんを好きになったことを後悔してるのか?

それは……

後悔、なのだろうか。

たぶん、後悔だ。

遅すぎたんだ。

終わってしまった後で気づくなんて、僕はなんて鈍感だったんだろう。

もっと早くに気づいていればよかったのかもしれない

不甲斐なかった。

これじゃ七星の傍にいる資格なんてない。

俺、バカだからさ、ヒロの悩みは全部わかってやれねぇ、だけどさ

彰はストローを使わず豪快にコーラを飲み干してから言った。

お前らはそもそもはじまってないだろ

え?

はじまってない?

どういうこと?

お前らが終わったのは恋人ごっこだろ? 

でもさ、お前らって本当に付き合ってたわけじゃないんだから、恋人としてははじまってすらないじゃねぇか。

だったら遅いもなにもねぇよ。

高群さんと過ごしていて好きになったなら、告白すればいいんじゃないのか? 

告白してようやくスタートラインに立ったって言えるんじゃねぇか?

……

 

〔つづく〕 

                                                             

登場人物

水無瀬弘海   主人公(みなせひろみ) 

高群  七星   主人公と同じ部活の後輩

鈴木  彰     ひたすら筋トレを誇張する、主人公の友人


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草薙香(くさなぎかおり)  の小説


編集掲載・緋鷹由理