音楽室 4
しかし、クルミ先生は無理やり弟の技から抜け出し、体勢を整えます。
「くっ、オレとしたことが……油断した」
「いい加減に頭を冷やせ。姉貴」
藤堂は冷静に、自分の姉であるクルミ先生を説得し始めました。
しかし、先生は性懲りも無く言い訳をします。
「話を聞いてくれ。オレはこの太鼓が……」
「分かっている。太鼓を見て発狂したわけだな。
あんな男らしい楽器を見て姉貴の血がうずいたってことだろ?
そして犯行に及んだわけだ」
まるで、推理物の現場のようになってしまいましたが、雰囲気がそれどころではありません。
すると、クルミ先生は親指を立てます。
「正解だ!」
人聞き悪いのに否定しない!?
こうして、二人は無事に話し合い、音楽室から出て行きました。
僕はクルミ先生の思わぬ一面を見たことが驚きです。
衝撃的過ぎました。
すると、あゆみがキャンバスを取り出して絵を描いている様子を見つけます。
彼女は彼女で何をしているのでしょうか?
「あ、あゆみ?」
僕は彼女の正面に立ち、話しかけます。
すると、あゆみは鉛筆を握って答えました。
「ん? せっかくだからさっきの様子を絵に残そうと思っただけだよ」
今の状況下で!?
やっぱりこの子もおかしい!
呆れる以外の選択肢が見つかりません。
〔つづく〕
登場人物
草薙 香 主人公 健忘症が病的な高等部二年
真田刃(剣) 香の親友(ある事情で兄を演じる香の彼女)
宮司 破魔 眼鏡の学級委員長
西藤あゆみ 迷惑な同級生 時に不思議なことをする
クルミ先生 香のクラスの担任の女教師
藤堂 一 香の親友、クルミ先生の弟
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草薙香の小説 グランディオーソ の紹介と登場人物
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