あれから茜さんが、私を献身的に見守ってくれておかげで今に至る。

 

 中学生になって、研修学校に入学できる頃に、魔法使いになりたいかと聞かれ、私の思い____魔法使いになりたいという思いを尊重してくれた。

 

 ____私が何を話しても、綺良ちゃんは入りたいって言うだろうけど。


 と言いながら、欅坂____当時の櫻坂についても色々話した上で、メンバーとして迎え入れてもくれた。

 

 茜さんの力を借りつつも、私は自分で、今のこの道を選んできた。

 

 そして村山もきっと、これから私と同じ道を辿ると思う。だから____

 

綺良「……村山に聞かなくても、村山がなんて言うか、私には何となく分かってるんですけど」

 

茜「つまり、それは____」

 

綺良「村山が自分の口で、説明してくれたんです。家族はみんな、魔法に巻き込まれた、と。つまりは____欅櫻戦争に、巻き込まれたんです」

 

友香「だから綺良ちゃんは、美羽ちゃんを引き取ったってわけね……」

 

 口には出さず隠していたつもりだったけれど、さすがにバレてしまうか。

 

 図星すぎて、何も言えなかった。

 

友香「____あのさ。キャプテンである私が、こんなことを言うのもあれだけど……あの戦争は、誰のせいでもない。私たちのせいでもない。起こるべくして起きてしまったことだから、私たちにはもう戦うこと以外、何もなす術がなかった。だから、私たちが____綺良ちゃんが、責任を感じることは何もないの。もし、欅櫻戦争の責任を感じて、美羽ちゃんを引き取ったのなら____「それは!!違います」

 

 でも、全てが図星というわけじゃない。

 

綺良「それもあります。自分たちのこの欅櫻戦争に、村山を巻き込んでしまったという、責任はもちろんあります。でも、それだけじゃないです。私は、他の何者でもない欅坂の、櫻坂のメンバーに____茜さんに助けてもらったんです。だから今度は、今は……これからは、私の番です。次は私が、村山を助ける番だと思うんです」

 

友香「綺良ちゃん……!」

 

綺良「だから私はこれからも、何があっても……村山のそばに、隣にいるつもりです」

 

茜「____よく言った!!私の娘!!」

 

 茜さんが拍手をしたところで、場の雰囲気ががらりと変わったのを感じた。

 

 急に席を立ったかと思うと、私にぴったりと抱き着いてきたわけだし。

 

綺良「ちょっと、急にやめてください!!第一、私は茜さんの娘ではなく妹です!!」

 

茜「妹、ってことは認めるんだ?」

 

綺良「茜さんがお姉さんになりたがってるので、仕方がなく、ですよーんだ」

 

茜「はぁ?何よ、妹が偉そうな口きいて……」

 

友香「ちょっとー。いちゃいちゃ姉妹喧嘩しないのー」

 

 私の番だとは言いつつ、やっぱり茜さんには____姉には、叶わないなと思った。