美羽「ファイアリィ!!」

 

____ザッ、ザザッ……

 

美羽「ウィンディ!!」

 

____ビュン、ゴー……

 

 あちこちで、たくさんの魔法が飛び交いあう。

 

 人数がどうとか、気にしている場合じゃない。気にしたって意味がない。

 

 私がすべきことはただ、魔法をくりだすだけだから。

 

小田倉「……右斜め、多いから気を付けて」

 

美羽「了解」

 

 特攻魔法を使う麗奈は、確実に攻撃を敵に命中させている。

 

 基本魔法だから麗奈の力には及ばない____なんて、言っている暇もない。

 

 私と麗奈で、一等星になるって、決めたから。

 

____シュッ、シュシュッ……

 

____ザザッ、ザ……ザザザザ……

 

 しばらく、お互いの攻防戦が続いた。

 

 相手の状況なんて分かりやしないけれど、少なくとも私たちに有利な点がないことは理解できる。

 

小田倉「駄目だ……人数が多すぎて全然効いてない……」

 

 駄目とか無理とか言いたくないけど、今の戦局的に無理という状況は事実だ。

 

美羽「____麗奈、後ろ!!」

 

小田倉「え____「シールド!!」

 

 背後からの攻撃に、何とかシールドを展開させる。

 

美羽「大丈夫?」

 

小田倉「うん……美羽がいなかったら、手遅れだった。ありがとう」

 

美羽「私だって、麗奈がいなかったら……色んな意味で、ここにはいないから……ありがとう」

 

 運よく攻撃を避けられたとて、安心はできない。

 

 むしろ、隙を見せたことで敵の攻撃はさらに強くなるだろう。

 

 そろそろ、何か手を打たなくきゃいけない。

 

小田倉「……美羽。ファースト……ここで使う」

 

美羽「麗奈……」

 

 麗奈も何かしらの手を考えたのだろう。

 

 その上で出てきたのが、今の麗奈の中で____今の私たちの中で、最強な魔法。

 

 それが麗奈の、特攻魔法の技____ファースト……一等星だ。

 

美羽「大丈夫、私がシールドで守ってるから」

 

 もう、言霊を信じるしかない。

 

 言霊の通りにいけば、たとえ技が失敗しても致命傷は逃れられるはずだから。

 

小田倉「ファーストスター____」

 

 麗奈を中心に、辺りが眩しく光り始めた。

 

 すると、私たちの攻撃に気がついた敵も、攻撃をしかけはじめた。

 

美羽「お願い、麗奈……」

 

 祈ることしかできない自分が、未熟で嫌になる。

 

 それでも、願いが強ければきっと、叶うかもしれないから____

 

 

____ドーン!!

 

 

 目に映る全ての世界が、眩しい光に覆われた。

 

 それと同時に爆発音が聞こえ、自分の体が宙を舞った____