息子が大量に下血して、救急搬送された、とお嫁さんから連絡がきた。


高速で約一時間。

すぐに駆けつけたが、夜間の病院には

家族ひとりしか入れない、と言われた。


高校を出て、まだ数年だが、しっかり者のお嫁さんに、息子の面会とお医者さんからの病状説明を託した。


大雨の夜。

病院の駐車場。

車内で、小さなふたりと共に待ち続ける。


怖くて怖くて、仕方がなかった。

二日前の、息子の真っ白な顔がちらつく。


大腸癌、、それしか浮かばなかった。

妹がそうだったから。



何時間待っただろう。

お嫁さんが、傘もささずに走ってきた。

「大丈夫です!大きな病気とかでは無かったです!」


大腸と胃の内視鏡を一気におこなったらしい。


大腸の、膨らみからの出血。

薄いはずの十二指腸が厚くなっていたことも

指摘された。



お嫁さんは、しっかりと説明を聞いてくれていた。

先ずは大きな病気で無かったことに安堵した。




当たり前だが。

息子が倒れて、連絡を受けるのはお嫁さん。

息子のもとに一番に駆けつけて、先生からの

説明を聞くのもお嫁さん。


私は何ひとつ出来なかった。


もちろんこれでいい。

心配で心配で

自分のことより痛くて

息子を案じた時間だったけれど。





息子家族。


見えるがゆえに思うことはたくさんある。

(いいことも含めて)

見る猿、聞く猿、、、でも言わ猿🙊を貫くのは

時に苦しい。


だが、案じても何も変えられないし、何も出来ない。


ただ、幸せを願う。


案ずるのは心の中で。

改めて思った。






お花の親子

   (村上隆さん ルイ・ヴィトン コラボ)