カーテンの隙間から
そっと触れてみる夜空には
いつの間にか
降りしきる雨のにおいも
もう消えて
光がそこに
とりもどされていた。
満月へと向かう上弦の月が
ひとり
眼下の街を照らす宵
ほんのり地を濡らす
雨粒のなごりに身を投じて
月光は
きらきらと
音もなく
街を輝かせている。
アリフレタ一夜の
その沈黙の中にあること
静かに潜むそのことこそが
ひしめき合う『さざめき』となりて
それぞれの眠りの中に
降りそそいでいるのだろう。
光なき 新しき月でもなく
大いなる 満ちた月でもない。
ただ
その合間にありて
ただ
アリフレタ夜の中で
静かに
静かに
ただ在る事・・のみに
満ちている
ただ在る事のみで
満たされている ・・・・・・・・・・・・