修復中の椅子を見た、修復学校時代の友人が「いくらでやってるの?」というので

「○○ユーロ」というと

「そんな安くで?狂ってるよ。だめだよー。」と言われてしまった。

「まあね。材料費もかかるし、時間もかかるし、ほとんどタダみたいなもんだよね。でも、経験だし、儲けるためにやってるんじゃないから。」と言うと

「それにしても安すぎる、その5-10倍くらいもらっていいはずだよ。それに、安くすると甘くみられて、軽く見られるよ。専門家だというためにも、それなりの金額をもらわないと。」

「だって、もう幾らって、言ってあるし。」と言うと

「それでもね、"やってみると、コストもかかったし、手間暇もかかって、最初に言った値段では仕上げられません、幾らになりますが。"と交渉するのよ。」と言うので

あー、なんてイタリア的なんだ、と思ってしまった。


最初に幾らと言っておきながら、途中で「やはり、できない」と言って値段をつり上げる.....そして、払わないと、作業途中で止めてしまうのだ。


それなりの金額をもらうべきだ、というのも一理あると思う。一度、安い値段で引き受けると、その次のもつり上げるわけにはいかず、ずっと安いままで引き受けざるを得なくなっている。それでも、喜んでもらって信頼して次を預けてくれているので、私的には、満足してはいるのだけど。(まだまだあるのよ、うちに来てちょうだい、と言われている。本当、アンティーク家具がいっぱいの家なのです。)