蒼冠塾


厳護 二十四





山本伸一は、記念撮影のあとも、「創価班」のメンバー


に語った。


「青年が成長していくには、甘えを捨てなくてはだめだ。


“責任は、壮年がもてばよいのだ”とか、“仕事が忙しい


から、学会活動がおろそかになっても仕方がない”など


という考えが微塵でもあれば、自分を鍛えることはでき


ない。


青年には、“責任は、すべて私がもちます。なんでもやら


せてください”という、体当たりでぶつかっていく、積極果

  

敢な姿勢が必要なんです。


また、どんなに仕事が忙しくとも、学会活動をやり抜いて


いくことが大事です。投げ出したり、“時間的にも無理だ”


などとあきらめてしまったら、そこで、成長は止まってしま


い、人間完成はありません。




蒼冠塾


青年時代は、職場などでも下積みの仕事を余議なくされて


いたり、最前線の労働に追われることが多いと思う。


自由な時間なんか、ほとんどないでしょう。


しかし、そのなかで、工夫に工夫を重ね、懸命に努力し、


くような思いで、信心に励んでいくことです。


その体験を積むなかに、鍛えがあり、困難に立ち向かう


命の“基礎体力”ともいうべき力が培われていく。


さらに、それが、自身の福運になっていくんです。だから、


苦労は、人生の最高の財産なんです。


困難を避けて通るような生き方を身につけてしまったら、


人生は不幸です」


それから、伸一は、「人間革命の歌」の碑を指差して言っ


た。


「ここに、『吹雪に胸はり いざや往け』とあるが、君たち


は、生涯、この精神でいくんだ。学会を頼むよ。広宣流布


を頼むよ。二十一世紀を頼むよ」


十九世紀のブラジルの作家アレンカールも、「人間が生き


生きと、魂から湧き出るエネルギーをもって、目標のため


に、執念をもって実践すれば、すべての困難に打ち勝つ


のだ」(注)と記している。




注) アレンカールの言葉は、フォルコ・マスッチ編

   『思想辞書』レイア出版社(ポルトガル語)




    

     =2011年1月7日・聖教新聞=