次の朝。(土曜日)



ホテルの朝食をとりながら

ぼんやりとテレビを見た。


私は、今日一日は「私だけ」のために使おう・・と決めた。


だってこれからは誰のためでもない自分だけの人生が始まるのだから。


さっそく美容院に予約を入れた。

そして

身支度を整え

映画館に向った。


本日公開・三谷幸喜「ザ・マジックアワー」


すごい!映画の初日に、しかも朝一番で行くなんて

何年ぶりかなあ・・・・

コメディだから思いっきり笑えそう!!


だけど・・・

一人で見るそれはどこか寂しくて

笑いながらも涙が出ていた。


映画館を出て

ショッピングしたけど

まず目に入るのは子供のパジャマ。


ケイちゃん・・・月曜日パジャマもたせないといけないのに

洗ってないよ・・・どうしよう・・・

いや、もう私には関係のないこと。


次に靴屋さんに行っていろいろ試してみるけど

どの靴もしっくりこない。


結局買わずに昼食を食べるため喫茶店に入った。



携帯の電源を入れてみた。

メールの紹介もしてみた。


何の変化もない携帯・・・・・。


私はユウにメールをうった。


「勝手をしてごめんなさい

ユウの事を愛してる。ずっと側にいさせてと言った言葉は本心だったから。

でも、その気持ちだけで暮らしていくのは今の私にはとても難しい。

今日一日、自分だけのために時間を使おうと思って、朝から映画見たりお店に行ったよ。

映画館ではコメディを見たけど笑いながらも泣いてた。

買い物も気が付けば子供服見てたり、靴も壊れたから見たけど気に入ったのがなくて・・・

きっとユウは私にとってカッコイイ靴みたいだって思ってたの。

サイズが合わないのに無理矢理足を入れていたのかな。

きっと私がごめんなさいって謝って土下座して許しを乞うと

ユウは不機嫌そうにそれでも私を許すだろう・・・

あるいはしばらく別居を提案するだろう。

それでいいはずなのにね。

でももうきっと戻れないって感じている。

ユウは出て行った私を許さないだろうって。

なのに自分でも答えが出せないよ・・・

人生を変えることはきっと簡単なの・・・

だって2つに分かれている道のどちらかに進むだけなのに。

きっと引き留めて欲しがってる私。

帰って来いって言われたいって思ってる。

でも絶対言われないってわかっているから。

今のユウにはそんな余裕ないってわかってる。

それを証拠にユウはもう次の生活に向けて準備を始めているでしょ?

ユウにはケイちゃんがいるもの。

ケイちゃんに不安な悲しい気持ちを与えてしまってごめんなさい。

本当にごめんなさい。

結論がまだだせません。

夜にでも二人で話が出来ませんか?」


長いメールだった。



すぐにユウから電話がかかってきた。