こんにちは。

野球小僧(以下略)の夜勤の代打をしようと思いきや自分も寝落ちしてしまったもえです。😅



いや、詳しく言うと今日書きたいテーマのために漫画を読み返していたので時間が必要でした。テヘペロ


今日は私の大好きな作品『青野くんに触りたいから死にたい』(以下、『青野くん』)についてお話しさせてください。🥺
(少々ネタバレを挟みますのでご注意ください)







『青野くん』は椎名うみさんが月刊アフタヌーンにて2017年2月から連載している漫画です。



大まかなあらすじは、

友達ナシ、男の子とほとんど喋ったことのない優里が同級生の「青野くん」とたまたま接触し、一目惚れし、付き合うけど、交際2週間で青野くんが事故死してしまう。青野くんを追いかけて自殺しようとしたら、青野くんが幽霊になって戻ってきちゃった…❓これから私、どうなっちゃうの〜〜⁉️⁉️


という感じのホラーラブストーリーです。



しかし、幽霊になって戻ってきた青野くんは人間の時の青野くんとは少し違うので、ただただ一緒にいることはできません。



幽霊の青野くんは本能的に生きた人間の生気を吸い取ることを望んでいるので優里に何度も契約を持ちかけます。(ここがめちゃ怖い)
優里が契約に同意するほど青野くんの力が強くなり、優里の命が削られて行きます。



そして、段々と青野くん・優里の二者関係ではなくなり、周囲の人間を巻き込んで話が大きくなっていく(そして一人ぼっちだった優里にも守りたい人が増えていく…)わけです。




と、まあストーリーの概要だけでも面白いのですが、私的『青野くん』の好きポイントは




☝️テンポがいいのに雑じゃない

✌一つ一つの描写が怖いのに美しい〜


という所ですね☀️



『青野くん』は登場人物の心理描写が本当に丁寧で、多分作者の椎名さん自身が人の心の機微に本当に敏感だし、それを言葉にする力に長けている方なのだと思います。


優里と青野くんはほとんど他人同士のまま青野くんが亡くなって、離れ離れになるのですが、幽霊になってからお互いの家族や過去を知り、喧嘩したり仲直りしたりデートしたりして、どんどんお互い惹かれ合っていくんです。
楽しくて嬉しいんだけど、それ以上に切なくて……





ぴえーん😭😭😭(言葉にする力に長けてない人)





また、『青野くん』の描写で私がとっても好きなのが「あの世」と「この世」の境界線が希薄になっているシーンの描かれ方です。よく、「花」で表現されています。


一見普通の風景なんだけど、不自然に花が咲き乱れていたり、花瓶から薔薇が溢れていたり、すごーく綺麗なんだけど怖くて、非現実感が強くて、でも美しいんです〜!



ストーリーの良さもさることながら、視覚からビビッドに場面の空気感を感じることができる椎名さんの画力も『青野くん』の魅力だと思います。😌






そしてもう一つ好きなのが


🤟『青野くん』というお話のテーマ性
です。



個人的には『青野くん』の大きなテーマは
「生け贄」と「選択」だと思っています。





生け贄というのは何かを犠牲にして対価を得ることですよね。



物語は優里が初めに生け贄として自分の命を捧げることで青野くんを召喚する所から始まります。

作中でも何度も「生け贄」を題材にしたストーリーが展開されますが、優里や青野くん、他のキャラクターも(詳しくは割愛しますが)実際に家族の中で間接的な生け贄として生きてきました。


優里も人の気持ちには敏感なのですが(そうやって生きてきたからね)、自分の痛みには非常に鈍感で、自分を大切にする術を知りません。
だからこそ、身を滅ぼすと分かっていても青野くんの契約をのんでしまったりするんです。



でも、大切な人が増えていくにつれて、大切にされることの心地よさを知っていくんです。


途中、あるキャラクターの発言から、大好きな青野くんにはとてもできないような酷いことを私は私にしてきたの?と優里が気付かされる場面があります。(大好きなシーンです)


優里や、今まで生け贄になってきた人たちが、自分の価値を再認識していく過程にとてもカタルシスを感じられますね。





そしてもう一つのテーマ、「選択」ですが


作中優里(含め登場人物達)は沢山の選択を迫られて沢山間違えます。


後から振り返ると絶対に選んではいけない選択肢だったんだけど、でもそれを選ばないと分からない事実とか本当の気持ちとかがあるじゃないですか。


正しい選択だけが正規ルートかというとそうでもないんですよね。



ちょっとズレますが、私の好きな『寝ても覚めても』という映画でも同じような感想を持って。
絶対その行動マジで倫理的にダメだし私はお前絶対許さないけど、でも2人がこれから生きていくためにはそうするしかなかったんだよなあ、っていう。自分の中の倫理観がズタズタに破られてしまいました。


自分は結構間違えることに敏感というか、変な正義感が強いほうなんですが、時には直感を大事にしたり、優里みたいに間違えた時の気づきを大切にしていかなきゃなあと思います。それで、人の間違い(選択?)にも寛容になりたい、優里のように。😌





と、いうわけで長話はこのあたりにして、スピッツの「優しくなりたいな」をBGMに晩ご飯を作ってきます🧑‍🍳



オマケ



豚の角煮、おいしかった🎅



皆さんもぜひ『青野くん』読んでみてくださいね🌻
既に読んでいる方は、一緒に語り明かしましょう🍻



ではまた💁‍♀