昨夜は久しぶりに彼と、彼の昔の亡くなった彼女のことを話しました。
結婚していたのは彼女が亡くなった後のことです。
10年ほど前に癌で逝ってしまった彼女。
病気がわかってからは、あっという間だったそうです。
20代の頃に結婚も考えたけれども、お互いの両親の激しい反対にあい出来なかったとか。。
20代前半で出会い、10年近く一緒に時間を過ごした彼女の死を受け入れることができないまま、この10年ほどを過ごしてきたようで
それを聞かされたのは私と付き合う前のことでした。
今でも夢に見てうなされることがある。
元気だった頃の彼女が夢に出てくるから、会えるのが嬉しくて、、
もう亡くなってるって頭ではわかっているのに、その幸せな時間から目覚めたくないと思ってしまう自分がいる。
でも楽しい時間も束の間のことで、夢の中でも彼女が急にいなくなって、どうしようもない恐怖を感じ、泣きながら目が覚める。
それがもうずっと、パターン化しているそうで、、。
ドラマのようで、本当の話し。
一度だけ、彼がベッドの上で泣きじゃくるのを見たことがあります。
彼に寄り添いたい気持ちで
彼女のことをなんでも話していいですよ!なんて言っていたけれども
実際、彼がお酒に酔った時にふと思い出した彼女の話をすると、その時はニコニコ聞いていられるのですが
私の知らない彼と彼女の思い出に色々と思いを巡らせて後日モヤモヤ、、なんてことが結構ありました。
彼はお酒に酔うとその時話したことをあまり覚えていないらしいのですが、
私は正直に言ったのです。
ごめんね。
彼女の話を聞くと嫌な気持ちになるから、やめて欲しいと。
彼は、これからは彼女の話は一切しないと言ってくれました。
そして、それを守ってくれました。
でも私は、めんどくさい人間なのです。
後からモヤモヤする癖に気になって聞いてしまうこともありました。
もしくは、ずっと前に聞いた話を思い返して勝手に自分と比べたり、勝手に卑屈になったり、、。
彼女はすごく優秀な方で、仕事もバリバリこなせるタイプ、、。
私はのんびりしてるからなぁ、、私は〇〇ちゃんみたいになれない、、、とかね。誰も求めてないし比べてもないのに。
そんなことが原因で一回喧嘩になったこともあります。
それ以来タブーになっていた彼女のことですが、今回久々に彼が彼女の名前を口にしました。
最近ね、〇〇ちゃんに「子供ができたんだよ」って話をする夢を見るんだ。
お願いだからまりちゃんと子供のことは連れて行かないでね!って言ってる。笑
なんなら、二人を守って欲しいとまでお願いしてるんだ。笑
彼は穏やかに笑っていました。
あんなに辛い日々を過ごしてきたのに、今はこんなに幸せな日々を過ごしてるなんてなぁ、、。
自分だけ幸せになっていいのかな?なんて葛藤もするんだけど、もう、いいよな。俺は十分苦しんだよ。笑
彼の言葉には重みがありました。
今まで自分の心が弱いから彼女に沢山頼ってしまったけれども、それももうやめないとなって思ってるんだ。
だから彼女の命日に酒を飲むのももうやめるし、少しずつ忘れていこうと思う。
それがいいと思うんだ。
彼は少し寂しそうに笑いながら、そう話してくれました。
私に気を遣ってそう決めたわけではないのだろうけど、ちょっと申し訳ないやら、逆にホッとしたような気持ちも感じてしまったり、、
私も一言で言い表せないものを感じていました。
でも、彼女の話にお互い触れないようになってから、ふと思うことがあったのです。
私が彼女にヤキモチを妬くのは別に悪いことではないし、どうしようもないことなのだと。
ヤキモチ、という言葉でまとめてしまうのはちょっと雑な気もするけれども、当てはまる言葉が他に見つからないのです。
20代前半まで遊び回っていた彼。
その彼が初めて一途に好きになった人。
若く多感な時に出会い、たくさんの時間を共に過ごした人。
そんな人、忘れられなくて当然なのです。
強がりなあの人なら尚更、弱みを見せられたのは彼女くらいだったのではないでしょうか?
こんな事実があったら
私がヤキモチ妬くのも仕方がないってもんです。笑
そしてもっと言うと、亡くなった人との思い出はどうしても綺麗に残されてしまうのです。
彼自身もそう言っているのです。
「全然キレイな思い出ばっかりじゃないのに、都合よく美化されてしまう、、」と。
全部、仕方のないことです。そこにいちいち意識を向けて悩むのも悪趣味だと気がついたのです。笑
そう思ってからは逆に、普段話さないようにしている彼女のことも
命日くらいはいいんじゃないかな、と思えるようになりました。
そして昨日はそう伝えました。
彼の思い出に対して仕方のないことと受け入れて彼と過ごす私も
忘れられない人との思い出を抱えながらも、前に進もうとする彼も
お互い2人で生きる未来を見ています。
死んだ昔の彼女の話なんてするな!
彼に対してそう思う人ももちろんいると思います。
でも私は、胸の内を明かしてくれたことが嬉しかったし、一緒に共有したいのです。
私の知らない彼を知りたい。
別に知らなくてもいいことも沢山あるけれど、青春時代の思い出なんかは楽しく語って欲しい。
自分に自信がないから勝手に比べたり、つまらないことを考えるだけで、ちょっとヤキモチを妬くくらい健全なことだとも思います。
何より、ここまでのことを聞かされても一緒にいようと決めたのは
私のことが大好きだと一生懸命伝えてくれたから。
伝え続けてくれているから。
信じていられるのです。
誰かを好きになるのはすぐに出来ることだけど、
その人の抱えるものや背負ってきた思いまで全て受け止めるのは
少しずつ、ゆっくりでもいいんじゃないかな、と思えるようになりました。
共に生きていくって、こういうことなのかな。